黒い雨裁判――広島市、広島県、国が控訴 (矢ヶ﨑克馬) | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

避難者通信87号20200814

 

皆々様、お元気ですか?BCCで失礼しております。

コロナ禍の中の猛暑が続きますがくれぐれもご自愛の上お過ごしください。

 

1 黒い雨裁判――広島市、広島県、国が控訴 

 

(1)「援護地域拡大」は控訴する必要性を全く欠く

 

国が控訴に踏み切った。理由は①科学的根拠がない。②援護区域の拡大を視野に再検討する、でした。

科学的根拠がないのは、今の被爆区域を維持している国に、100%返上します。

 

援護区域の拡大は「控訴する必要性」が全くない事柄です。

 

国の人道を離れたまやかしの「地域拡大を視野に」に、妥協する市と県の「棄民共同組織」

に組み込まれた腑抜けの姿勢を糾弾します。

 

 

 

(2)平均年齢が83歳の被爆被災者。政府は全員「死ぬのを待っているのか」!!!

 

今、さらに声を大きくして訴えたい。

 

①  ただちに控訴を取り下げ、被爆者健康手帳を原告に交付せよ

 

②  歴史的になされた内部被曝の隠蔽による被爆地域の過小評価を「科学的に見直せ」。

国が進める被爆関連行政の非科学性を認めよ。

 

③  「法に定める被爆者」と「その他の原爆被害者」を分け隔てしている援護政策は即刻

見直し、「被爆地域の拡大」として決着せよ。

 

 

 

2 何故75年を経ても、被爆被災者の「真実の訴え」が続いているのか?

 

(1) <政治的核戦略で設定した「被爆地域」―内部被曝無視と決定的過小評価範囲>

①占領軍としての原爆投下者である米軍が世界世論の「原爆を残虐兵器」であると

することを全面的に避けさせようとした戦略が「科学」を歪めています。

②「放射能による健康被害は無い」という「虚偽」の証明を「科学と称して」実践

させました。

太田川の橋が20本も流され、床上1mの濁流が被曝地を洗い流した後で測定させ、

被曝地には放射性降下物が「ほとんど無い」ことにしました。

③黒い雨地域で言えば、原子雲の高さを実際の半分に(16kmを8kmに)して、

横への広がりを7~8分の1に(直径30~36kmを4.5mに)して

放射性降下物の広さ範囲を評価した「黒い雨に関する専門家会議」(他の件で「私は

雇われマダムであった」と称した重松逸造委員長)の結論が、「科学の振りをした」

似而非科学(虚偽)の実例です。

④「科学的粉飾」で「嘘を誠にデッチあげ」させたのです。

⑤これを占領下およびその後の米核抑止力の傘に屈従する日本政府が全面的に受け

継ぎました。

⑥この「虚偽の原爆像」を描かせることが「被爆地域」決定の基本なのです。

⑦残留放射能と内部被曝を正当に評価しているならば、今回地裁の判決を得た黒い

雨地域は当然「正規の被爆地域」として認定されるべき被曝状況でした。

もちろん、「長崎体験者区域」も同様です。

 

(2)<現実の放射線被曝被害と真実を求めて>

①虚偽政略のために「被爆地域ではない」とされた地域で広島でも長崎でも住民の

健康被害が際立ったのです。

②「黒い雨地域」の方々が、また、「長崎被爆体験者」とされる方々が、75年間訴

え続けています。

③被爆地域の拡大を求める「真実の訴え」は、まさに核抑止力支配を

「棄民とセットにして」いる国に対して、「真の原爆像」を暴露する「反原爆」の

まっとうな訴えなのです。

④生涯を掛けた誠実なたたかいなのです。人間の証としての訴えなのです。

 

 

 

(3)<戦後日本政府は誤った被爆行政を「反科学的」に継続しています>

そして、単に黒い雨の地域、長崎被爆体験者地域の人だけの問題ではないのです。

 

➀放射線量評価を歪めたままの戦後一貫した「起爆者行政」でした。歪んだ中身は

「内部被曝」の否認、被曝地の極端な過小評価。

 

②福島原発事故際には、「高線量汚染地域に住民を継続して住み続けさせる」という

IAEA、ICRP等の核戦略の元に日本政府は「年間20mSv」を設定しました。

③福島原発事故で、政府は責任を持って「放射鬱放射能」の測定を行うことを拒否

しました。

小児甲状腺癌が通常の50倍以上の頻度で発生していますが、「原発事故とは関係な

い」としています。その根拠は「非科学的データ整理」と「測定していないこと」

なのです。

④福島原発事故後2011~2017年までの7年間で、日本の死者数の異常増加は27万人

に上ります。コロナウィルス犠牲者数の比ではありません。

これが一切報道されません。

⑤コロナウィルス問題にしても政府は極めて異常なPCR検査しない態勢を維持し

ています。社会的活動を再開させるための保障はあたかも飛行機に乗るときの荷物

検査のように検査を徹底させて、陽性者を隔離することです。現在のように症状が

現れて後追い的に検査するのではなく、前もって検査するのです。

そのための医療的あらゆる措置を講じられるようにすることです。

そうして社会的経済的活動が安心して営めるようになります。

⑥測定しないことにより被害の実態をあからさまにしない、市民を守らない、

という棄民策は、被爆地域過小評価と同梱です。

 

 

 

3 ヒバクシャ問題は全市民の大問題と直結しています。

私たちの命を守るためのたたかいとして位置づけましょう。

是非一緒に、政府の不当な控訴をやめさせて、人道に立つ科学に正直な誠実な結果に基づいて、

力を合わせましょう。                       (矢ヶ﨑克馬)