たんぽぽ舎です。【TMM:No3987】
2020年7月18日(土)地震と原発事故情報−
4つの情報をお知らせします 転送歓迎
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★1.農家の自家増殖を禁止する「種苗法改定」は廃案に!
食料輸出制限が起きる世界において多国籍種子企業の
限られた品種に依存するのは食料安全保障をあきらめることだ
安田節子(食政策センター・ビジョン21)
★2.住民の意思など聞くつもりはない 県民投票条例案、否決
県民が再稼働と直接民主主義との両方に関心を持つことは
とても重要なことです。
阿部功志(東海村議会議員)
★3.噴火しなくても…火山ガスが引き起こす殺人
警戒せよ! 生死を分ける地震の基礎知識その357
島村英紀(地球物理学者)
★4.配信より1つ
◆「四国電力・長井社長 伊方3号機の定検再開は「白紙」」
7/15(水) 19:58配信 「あいテレビ」
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※お知らせ
☆予約受付締め切りました。
7月28日(火)新ちょぼゼミ「前川喜平氏講演会」は定員に達しました
ので締め切りました。
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※7/22(水)院内集会と3つの抗議行動
「放射能汚染水を海に流すな」7.22緊急行動 トリチウム等の
海洋投棄反対 六ヶ所再処理施設の稼働反対
☆7月22日(水)13時より16時【院内ヒアリング集会】
会 場:衆議院第一議員会館 国際会議室
○定員50名:100名の会場ですがコロナ対策も考慮して50名に限定です。
☆3つの抗議行動
・東京電力本店抗議集会(新橋)17時より17時30分
・日本原燃東京支社抗議集会(内幸町)17時45分より18時15分
・経済産業省抗議集会(霞ヶ関)18時30分より19時30分
呼びかけ:「再稼働阻止全国ネットワーク」070-6650-5549
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※メールマガジンニュース4000号は8月5日です。
皆様の「メールマガジン4000号に思う」という感想文をお寄せ下さい。
(200字−500字程度)
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☆昨日(7/17)のメールマガジン【TMM:No3986】の2
「放射能汚染水を海に流すな」7.22緊急行動にご参加を!の中で、
一部スペースに「???」が入ってしまいました。
本文の文字化けではありませんでしたが、読みづらくしてしまいました。
申し訳ございませんでした。
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┗■1.農家の自家増殖を禁止する「種苗法改定」は廃案に!
| 食料輸出制限が起きる世界において多国籍種子企業の
| 限られた品種に依存するのは食料安全保障をあきらめることだ
└──── 安田節子(食政策センター・ビジョン21)
○農家の自家増殖を禁止する種苗法改定は批判の高まりで今国会での審議
は見送られ次期国会に持ち越されました。
種苗法は新品種(登録品種)の育成者の知的財産権を守るための法律です。
品種登録して育成者権を取得すると登録品種の種苗、収穫物、加工品の
販売等を一定期間独占できます。
登録品種は育成者権者の許諾を得なければ利用することはできません。
ただし、農家が自分の農地で再生産するための自家増殖は例外として認め
られ、育成者の権利は及ばなかったのです。
○ところが改定案はこれを180度転換し農家の自家増殖を禁止としたのです。
農家は育成者権者に許諾料を支払って許諾を毎年得るか、許諾が得られな
ければ毎年全ての苗を購入しなければならなくなります。
さらに収穫物や加工品の売り上げにも対価が求められる可能性がありま
す。侵害したと判定されると10年以下の懲役または1000万円以下の罰金と
する重罰が法案に盛り込まれました。
これまでにシャインマスカットやサクランボ、いちごなどの優良品種が
海外流出して問題になっており、これを防止するのが改定の目的とされて
います。
しかし、農家の自家増殖を禁止すれば海外流出が防げるのでしょうか。
なにより農水省自身がHPで「種苗などの国外への持ち出しを物理的に
防止することは困難」であるとし、「海外において品種登録を行うことが
唯一の対策」と記載しています。
育成者権は、国ごとに取得する必要があり、品種登録していない国では
育成者権は主張できないからです。
海外流出防止というのは後付けで、本当の狙いは農家の種取りの権利を
剥奪することにあると思われます。
日米貿易交渉のもと、規制改革推進会議を窓口として米国の多国籍企業の
ために日本の岩盤規制が次々と撤廃されています。
これまでに「種子法廃止」(2018年4月)で日本のコメ、麦、大豆の公
的種子事業を止めさせ、「農業競争力強化支援法」(2017年8月)で農業
試験場が持つコメなどの遺伝子資源(種苗)や育種技術を企業に移転させ、
そしてとどめが農家の自家増殖禁止なのです。
これで公的種子や農家の手にある種子を企業の種子にすべて置き換える
ことができるのです。
今後、多国籍種子企業が日本で品種登録し、高額な許諾料を設定する事
態が頻発しかねません。それは農家の大きな負担になり、日本の農業衰退
に拍車がかかります。
○多国籍種子企業は現在ゲノム編集種子に力を入れています。日本は規制
なしの流通を認めたのですが、彼らが日本に乗り込んで高い利益を得るの
にネックなのが農家の自家増殖容認です。彼らの自家増殖禁止の要求が今
回の種苗法改定の背景にあるのかもしれません。
農水省は、登録品種は10%ほどで90%は一般品種で今まで通り自由に種
取りできると説明しますが、企業が主体になれば登録品種は増大すること
必至です。また、野菜類は8割が種取できないF1種で、毎年農家は購入
せざるを得ない種子なのです。
特に心配なのはコメなど穀物です。欧米では主要穀物は農家の自家増殖
を認めています。日本のように穀物までも企業に明け渡し、一律に自家増
殖を禁止するような国はありません。
気候変動やコロナ禍による食料輸出制限が起きる世界において、多国籍
種子企業の限られた品種に依存するのは食料安全保障をあきらめることな
のです。
種を握る者が食料生産を左右し、農家の手に種がなければ、国家の独立
も危うくなるのです。
種苗法改定は廃案にしなければなりません。
(全国商工新聞2020年6月15日「視点」農家の自家増殖禁ずる種苗法
改定から転載)
※編集部より:安田節子さんには、これから月1回のペースで寄稿して
いただくことになりました。ご期待下さい。
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┗■2.住民の意思など聞くつもりはない 県民投票条例案、否決
| 県民が再稼働と直接民主主義との両方に関心を持つことは
| とても重要なことです。
└──── 阿部功志(東海村議会議員)
○こちらは県議会についてです。6月の県議会で東海第二原発再稼働に関
する県民投票条例案が審議されました。
初めに言えば私は原発の再稼働を投票で決めることが最適だとは考えま
せん(17年11月「あべニュース」9号に書きました)。原発事故の時、ど
うしても逃げられない人が出ます。その人たちを結局見殺しにするかどう
か、これは多数決になじみません。私は、これ一つとっても原発は絶対悪
だと考えるので再稼働には無条件で反対です。(最終的には住民の多数の
意見に左右されるとしても、民主主義はそのプロセス過程が何より大切で
す。)
○とはいえ、この問題をきっかけに県民が再稼働と直接民主主義との両方
に関心を持つことは、とても重要なことです。
県でも村でも、議員は再稼働という一つの課題(ワンイシュー)で投票
判断されたわけでも、有権者からすべて任せるよと「白紙委任」されたわ
けでもありません。その上、選挙では多くの議員が再稼働の意思表示を曖
昧にしました。なのに「議員は住民の代表だ」「全権委任されている」か
ら議員が決めるのだ、などと嘯(うそぶ)くのは図々しい思い違いです。
○県民投票条例案は、6月23日の本会議で、自民党・公明党・県民フォー
ラム等の反対で、簡単に否決されました。自民党の議員会長が本会議前か
ら「廃案になってよかった」と発言していたように、初めから結論を決め
ていて、不勉強のまま、議論を避け、たった1日で強引に採決です。これ
は86,703人の署名者の意思を平然と踏みにじるもので、署名関係者は、あ
まりに自公などの県議の「レベルが低い」と憤(いきどお)っていました。
再稼働をするかどうか、でなく、県民投票をするかどうか、なのに、住
民投票の意義をわざと再稼働論にずらした流れはとても危険です。条例に
反対の議員は民主主義とは何かを理解できておらず、県民投票や話し合い
では再稼働推進側には勝ち目がないと、数の力で押しつぶしました。
そしてこれは議員を選ぶ側の考え方や選挙制度の問題もあり、根は深い
のです。
○下路(しもじ)健次郎県議は、3月の県議会一般質問で、情報不足の中で
の投票やアンケートを、ビートルズに例(たと)えて「ジョンかポール、ど
ちらがいいかというアンケート」は無意味だと、原発問題に全く関係ない
メンバー2人の比較にすり替えました。
この例えは県民投票の意義とも再稼働の賛否とも完全にズレており、こ
の程度の論理でしか語れないのが原発を推進したい人の実情です。
原発問題を十分に理解できていない議員が、住民の意思を聞くつもりも
なく「我々に任せておけばいいのだ」と私たちの生殺(せいさつ)与奪(よ
だつ)の権を握る、これがどれほど傲慢(ごうまん)で恐ろしいことか。
あべ こうし ニュース−原発をなくして安全なふるさとに−
(7月15日(金)発行 第20号より了解を得て転載)
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┗■3.噴火しなくても…火山ガスが引き起こす殺人
| 警戒せよ! 生死を分ける地震の基礎知識その357
└──── 島村英紀(地球物理学者)
噴火しなくても火山は人を殺す。火山ガスである。有毒な火山ガスが日
常的に出ている火山は、日本で60以上もある。
温泉は冷水を火山ガスで暖めているものが多い。たとえば群馬・草津白
根山では、沢の水をためた水槽に火山ガスを入れて温泉にしている。だが
1971年に、水が飽和して多量の火山ガスが溢れ出し、谷にあるスキーコー
スに滞留して6人が犠牲になった。
現場になれているはずの温泉業者でも事故に遭う。2015年には秋田・乳
頭温泉で3名が死亡した。作業が終わった業者が荷物を取りに帰った林の
中の窪地に滞留していた火山ガスで命を落とした。
これらはいずれも火山が噴火していないときの事故だったが、噴火して
いるときは、もちろん危険だ。
伊豆諸島・三宅島が2000年に噴火したときには大量の有害ガス、二酸化
硫黄が出てきた。その量は1日に20万トン。これは日本のすべての火山か
ら出る二酸化硫黄の30倍以上にもなる。人体の許容限度2ppm(1ppmは100
万分の1)を島中で超えてしまうために全島避難になった。
噴出量が1日に1000−2000トンに下がったので4年半後に場所によって帰
島が解除されたが、いまでも1日数百トンが噴出している。
一方、二酸化炭素による事故もある。1997年青森・八甲田山麓で起きた。
これは夜間訓練中の自衛隊員3人が高濃度のガスが滞留していた深さ約8
メートルの穴に入って犠牲になったものだ。二酸化炭素ガスは空気より重
く、死に至る高濃度でも無色無臭だから気がつかないことが多い。
世界的には、1986年に発生したアフリカ・カメルーンにあるニオス湖の
事故で住民1800人と家畜3500匹が犠牲になった二酸化炭素ガスの事故が有
名だ。周囲の長さ2キロ、深さ200メートルほどの火口湖。湖底から定常
的に二酸化炭素が供給されていて、事故が起きる前の湖底は二酸化炭素ガ
スが飽和に近い濃度だった。当時の湖周辺は雨季で、冷たい地表水の流入
で深部湖水が上昇し、溶けていた二酸化炭素が湖面で一挙に発泡した。放
出された二酸化炭素ガスは膨大で、約100万立方メートルもあった。
日本でも、量は少ないが湖底から二酸化炭素が供給されている火山の湖
もある。しかし日本には四季があるので、少なくとも年に1回は湖水が循
環する。だから湖水中に大量の二酸化炭素が蓄積されることはない。
日本では、火山ガスを定常的に放出している火山の多くは観光地で、多
くの観光客や登山者が火山ガスの発生場所の近くに立ち入っている。
また、ほとんどの火山の火山ガス中に硫化水素が比較的多く含まれている。
日本での火山ガス中毒事故の80パーセント以上は硫化水素で、次に二酸
化硫黄によるものだ。
硫化水素の事故が多いのは、極めて低濃度でも「タマゴが腐った臭い」
を感じるが、高濃度になると鼻がマヒしてしまって感じなくなるためだ。
他方、二酸化硫黄は刺激臭があり、咳込みや目に刺激を感じるので死亡
事故は起こりにくい。
毎年のように人がなくなっているのだ。火山は噴火していないときでも
十分怖い。
(島村英紀さんのHP http://shima3.fc2web.com/
「島村英紀が書いた『夕刊フジ』のコラム」より7月17日の記事)
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https://news.yahoo.co.jp/articles/04f91e3a745e361028f1c6cfbde84385dbeb21e4
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