核のごみ処分場「科学的特性マップ」夏にも提示?(れんげ通信)と「ナチュラル・アナアログ」 | 脱原発の日のブログ

脱原発の日のブログ

12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

れんげ通信 

http://rengetushin.at.webry.info/201705/article_3.html?utm_content=bufferd1520&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

核のごみ処分場「科学的特性マップ」 夏にも提示 時間かけあきらめるまで宣伝・宣伝 5/3

 

 共同通信が2017年5月2日に配信した「核ごみ処分地図、今夏にも提示 政府、地下特性に応じ4区分」 <リンク>は、4月14日以降審議会もなく、独自取材でしょう。

 記事を宣伝と見ることもできますが、資源エネルギー庁の考えをつかむ利点もあります。

関連資料 20174.14放射性廃棄物WG第31回エネ庁資料
      

画像




◆岐阜新聞 2017.5.2夕刊

 核ごみ最終処分場
 可能性地域地図に示す
今夏にも提示

政府は、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分で、廃棄物を地下深くに地層処分できる可能性がある地域を日本地図上に示す「科学的特性マップ」の基準をまとめた。地層処分に好ましい特性かどうかによって地図を4色に塗り分け、早ければ今夏に提示するとみられる。

 

画像



   

画像

       
 スウェーデンの事業者が核のごみの処分地選定過程で作成した国土地図。色分けの英文表記は(上から)「おそらく適格な基盤岩」「おそらく不適格な基盤岩」「不適格な基盤岩」(SKBの環境影響報告書2011より)


 政府は提示に備え、基準を国民に説明するシンポジウムを東京や名古屋、福岡など全国9カ所で5月中旬から6月にかけて開催。自治体担当者向けの説明会も各都道府県で実施し、全て終えた段階で地図を提示するとみられる。

 政府は原発や関係施設の立地に関連付けず、幅広い地域に処分場への関心を持ってもらおうとしている。当初、2016年内のマップ提示を目指したが、処分場の一方的な押し付けを警戒する声に配慮して断念した。国民や自治体の反応次第では更なる延期などの曲折がありそうだ。

 基準では火山や活断層の周辺、隆起や浸食などがある地域は、地下環境の長期安定性の観点で「好ましくない特性があると推定する地域」に分類する。油田や炭田も将来掘削される可能性から「好ましくない特性があると推定する地域」とするが、地図上は違う色で表示する。

これらに該当しなければ「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」とし、さらに海岸から20㌔以内を「輸送面でも好ましい」とする。沿岸海底下や小島なども含む。これまでこの地域は「適性が高い」として提示する考えだったが、実際に掘削調査しなければ適性が高いか判明しないため、より正確な表現に改めた。

 地図は三色に塗り分けたスウェーデンの事例を参考にした。従来は「科学的有望地」と呼んでいたが、好ましい特性のある地域がピンポイントで絞り込まれるとの誤解を避けるため「科学的特性マップ」に変更した。

 政府は15年5月、核のごみ最終処分の基本方針を改定。候補地選びを自治体からの立候補に頼る方式から、国民の関心が高まった段階で複数の自治体に調査の受け入れを求める方式に見直した。

 政府は地図の提示から、数年間の期間を置いて調査を申し入れる構えだ。国民や自治体の理解を得るのは難航が予想され、政府は混乱が生じないよう慎重に対応するとしている。



 2017.4.14放射性廃棄物ワーキンググループ 配布資料 リンク
 2017.5.3現在 議事要旨も議事録もアップされていません。


 経済産業省は情報管理のため、今年2月27日から庁舎の全執務室の施錠を行い、取材は別室で行い、記録者を置いて、結果は広報担当に報告する。また、幹部には自宅周辺など庁舎外で個別取材を受けないよう求めています※。

 

・・・・・・・・・以上転載・・・・・・・・・・

 

 

(ここから当ブログ編集部のリサーチ)

 

再び地層処分の候補地探し?

しかし、、スウェーデンの先例にならってマップを作成しているなど、スカンジナビアのような太古から動かない岩盤の上にある国と、地震列島・地下水脈豊富な日本列島との、大きな安定度の違いについては一言も触れていない。

<参照>

スウェーデンの強固な地盤

「世界には地震のない うらやましい国もあります」

http://bosaidb.com/not/

ほぼ地震の起こらないスウェーデンで過去100年で最大・・といってもマグニチュード4.6」

http://earthreview.net/biggest-earthquake-for-100-years-in-sweden/

 

2010年1月31日ホテルオオクラ札幌 共に語ろう電気のごみ -もう、無関心ではいられない-

スイス、フィンランド、スウェーデンの 地層処分について

北海道大学大学院工学研究科 

http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/nuclear/rw/ene/2009/document/20100131-seminar.pdf

スウェーデンの原発と危機管理 - ハイライフ研究所

東北大地震と地質・地震の不安定性について 2011年7月
114pのpdf 311直後の研究発表が興味深い。
いくつかスライドを紹介(詳細はPDFをご覧ください)
 
TOPIC ナチュラル・アナアログ
ガラス固化と地層処分の発想は、頑丈な地盤の中に、自然が時間をかけて生成した自然現象(ナチュラル・アナログ))にならって、可能性を研究してきた結果であることがわかる。
それを日本には応用できないと言える研究発表。
311直前頃のNUMOの発表でもその論調だったが、311ショックの後、海岸部という新たな発想を加えて復活している。
しかしナチュラル・アナアログの原点に帰れば、「錆びていなかった」という驚きからスタートしていることがわかる。これが地層処分の原理であれば、海水は塩分と水、最も錆びやすく触れ合うことは決してあってはならない、いわば「最不適地」だということだ。
 
日本はダムやトンネル工事の経験から、あるいは東濃の地層処分研究所の実態からも、水が滝のように壁を流れる中での「地下空間」建設は、いかにも「自然に逆らう」困難に悩まされていることは証明済みだ。
内陸部から海岸地帯に「適地」を移し、増やしたところで、地下水ではなく、より危険な「海水との接触」という悪条件を加えているだけではないかと思う。