福島第一 屋根なし1号機に台風の不安 汚染水の監視強める(東京新聞) | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

東京新聞朝刊(8月30日)http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016083002000121.html

 

 

福島第一 屋根なし1号機に台風の不安

    汚染水の監視強める(東京新聞)

強い台風10号が関東や東北に接近し、東京電力福島第一原発は三十日にも大雨や強風、猛烈なしけに見舞われそうだ。現場は台風に備えて対策を講じたが、懸念も残る。

 二十九日、小雨が降り、風が強まる中、作業員たちは台風対策に追われた。建屋周辺には、何台もの大型クレーンがあり、上空に長いアームが伸びていたが、地上に下ろし、先端のフックを地面などの頑丈なものに固定した。各所でケーブルやホースを固定したり、強風で飛びそうなものは片付けたり、シートで覆ったりした。

 大雨による汚染水の流出も懸念される。護岸近くの井戸には、汚れた地下水があり、水面が地下数十センチまで迫っていたため、ポンプのくみ上げ量を増やした。

 山側のタンク群も汚染水リスクのある場所で周辺には多重の堰(せき)を設け、タンクや堰に雨がかからないよう屋根の設置も進んだ。対策が途中のエリアでは監視を強めるとともに、堰内の水があふれそうになれば移送できるよう準備を進めた。

 現場の努力にもかかわらず、懸念は残る。

 1号機原子炉建屋は、使用済み核燃料の取り出しに向け建屋カバーの解体中。カバーは完成した状態なら「平均風速二五メートルに耐えられる」(東電担当者)というが、現在は屋根がないため、強度低下は避けられない。この状態の強度は「評価したことがなく、分からない」(同)という。

 福島第一には、高さ約百二十メートルの巨大な排気筒が三基あるが、1、2号機の間にある排気筒は支柱の一部に破断や変形が見つかっている。担当者は「強風より地震の影響が大きく、台風は問題ない」と強調するが、実際のところは分からない。

 作業員の一人は「明日はほとんどの作業が中止。元請け会社の何人かが福島第一に控え、何かあったら、近くで待機中の重機オペレーターなどが出る」と話していた。 (片山夏子)