電気事業会計の改正は治外法権か?!常識を覆しても東電と電気事業を救う経産省 | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

http://www.meti.go.jp/press/2013/10/20131001002/20131001002.html
経産省;電気事業会計規則等の一部を改正する省令を施行しました

10月1日から施行されてしまった、、
ということで廃炉に伴う粉飾会計を粉飾に見せない省令。

■電気事業会計の改正は粉飾以外の何物でもない
電話:大島 堅一氏(立命館大学国際関係学部教授)、細野祐二氏(公認会計士)
http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002980.php
<転載>
ニュース・コメンタリー (2013年10月05日)
電気事業会計の改正は粉飾以外の何物でもない
電話:大島 堅一氏(立命館大学国際関係学部教授)、細野祐二氏(公認会計士)
 経済産業省は10月1日、電力会社が原子力発電所を廃炉にする際の会計処理を容易にし、その負担を電気料金に上乗せすることを可能にする新たな電気事業会計規則を施行した。これは事実上の粉飾決算を合法化する措置以外の何物でもない。
 原発の減価償却期間は40年に規定されている。そのため稼働から40年を経過していない原発を廃炉にすると、まだ価値の残っている原発を廃棄することになり、その段階で多額の特別損失が発生する。
 1日に施行された会計制度では、この損失を向こう10年間に分割して費用として計上できるように変更した。そのため、電力会社は原発を廃炉にして多額の特別損失が出ても、一気に債務超過に陥る心配がなくなる上に、費用として計上した損失分は、電気料金に上乗せする形で回収することが可能となった。
 これは明らかに福島原発を抱える東京電力の救済を目的にした措置である。原発の経済問題に詳しい立命館大学の大島堅一教授は、「これは粉飾決算以外の何物でもない」と指摘する。
 「本来は価値がないものを価値があるかのように処理することは粉飾以外の何物でもない。廃炉になる原因が事故であってもこの制度が適用されるので、東電の福島第一にもこれが適用されることになる。」
 そもそも今回の措置は、本来は既に破綻している東京電力を、銀行融資や電力債の焦げ付きを避けたい財務省や経産省の思惑で、無理矢理存続させるスキームを作ったことに端を発する。事故の処理費用は国が設置した基金からの「融資」で外見上取り繕うことができても、会計処理まではごまかせなかった。そこで本来は粉飾になる行為を粉飾にはしないような形で会計処理のルールを変更し、何とか中央突破を図ろうとしているのだ。
 いつまでこのような弥縫策を続けるのか。電気料金であろうが税金であろうが、いずれにしても最終的に国民負担となる決定を、国会の審議も経ずに経産省の省令一つで決めることが許されるのか。はたまた、粉飾を合法化するルール変更が許されるのか。電力会社を取り巻くモラル崩壊状況について、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。


http://www.youtube.com/watch?v=v6z1MsqiGvY&feature=youtu.be
動画を観ました。

国会で議論もなく経産省と財務省で法外なルール変更を行ったということです。
東電の破綻を救済し銀行の焦げ付き等を避ける手だてという事ですが、
常識を覆して資産でないものを資産であるかの様に扱うなど、
いわば電気事業は治外法権となっていると言います。

この番組では「アンフェア」として問題提起をし、
国会審議をさせていこうと結んでいました。

「ひっそりとパブコメにかけられ」とされていますが、
ネット上で市民も結構騒いだと思いますし、当ブログ過去記事もありました。
私も意見を送りました。
http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-11608173073.html

・・・・・・・
動画の書き起こしというほどきちんとしたものではないですが、
主に二人のゲストのお話の「聞きながらメモ」

東電救済のための改正。廃炉はお金を生み出さないのに資産として減価償却。しかも電気代で廃炉。他の原発にも応用できる。経産省と財務省の怪しい企み。電気事業会計の改正。国会の審議を経ずに10月1日から施行。

大島堅一教授(立命館大学)と電話インタビュー;
電気事業会計の大きなルール変更=これまで廃炉すると使用しないので資産でなくなる→廃炉の後も資産として考える。毎年回収するお金を電気料金に入れる。資産じゃないものを資産にする。
(なぜ)今まで安全であるかの様に言って来た原子炉が安全でなく、廃炉にする原発がこれから出てくる。資産がゼロになる。電気会社が考えるのならわかるが、財務省が資産としてお金が入る様にするよと。企業会計の原則では資産でないものを資産とするのは粉飾で犯罪である。許されない行為。それなのに電気事業会計だけ変える。してはならない事。もうひとつは事故を起こしてもできると言っている。東電の責任なのに、発電の資産にしてしまう。
(事故を起こしても資産?)全く使わないものを読み替え費用を電気料金に入れる。
(特に東電でしょうが廃炉になると債務超過になる、それを避けるため10年据え置いて減価償却。そういう見方でいいのか?)表に債務超過になる。問題なかったかのように見せるため。帳簿上の操作。
(しかも消費者が払う事になる。省領の変更だけで行う)ものすごい大きな事なのに、あたかも変更できるかのよう、これは大きな問題。ごまかそうとしていて大きなルール変更、他の産業からみたら「え!!?」絶対やってはならない事。非常にリスキーな作業なのに。リスクは全部消費者がかぶる事になる。
(政治的な、粉飾決算の合法化という議論は国会では出ないのか)本来は出てくるはず。パブコメだって興味のある人しか見てないし、そういう事だとは知られてない。私もお話はさせてもらっているが、問題ないかの様に省令でも書いているのでわかりにくい。
(電力会社を続ける為にすべてのことをやるんですね)東京電力の債務超過は自らの責任が出てくるというのを恐れたのではないか。

会計士の立場から細野さんと電話;
廃炉が決定した施設を資産として計上するのは会計上一番大きな問題。資産は価値のあるものをいう。使わないし、価値がないので原則に従い資産から〇円に落とす必要があるが、大きな損が出るので改正するというのが目的。
(どれくらい不自然か)元々資産というのは価値のあるもの、常識を根底から崩すので飛んでもないと言えば飛んでもない。多くの会社が不良債権になると原則に従い償却をやって資産でなくするが、大きな損が出てやりたくないので、そのまま資産に乗せるとするとそれを粉飾決算と言うが、それをルールにしましょうというようなもの。交通違反をするのがルールと言ってる様なもので、会計としては考えにくい。
(影響は)ルール化されるので電力会社が巨額の損を計上しなくてもよくなりありがたいということだが、ルールに従い決算となると、その決算書は信用できないのということになるので、国際的には信用を落とす事になる。
(アンフェアな処理、法のもとの平等に反する、憲法違反、他の法律と両立しないということはできないのか)できない。会計原則と会計基準が分かれている。原則は憲法の様な考え方。決算は実態を真実のままに表示など。企業には業様が違うのでそれぞれに基準がある。省令なのだが、電気事業会計規則は省令でかえられるし、原則と違っても合法になっている、治外法権の様なもの。(10年に分けコストに入れられるということだが)そうすると価値がなくなっても資産になるので、段階的、部分的に損を出しましょうというルール変更をやると、特別損失といい原価にあらずという定義があり、部分的継続的損は原価という認識になり、電気事業審議会で原価に一定の利子をつけたものが電気料金に反映させる事ができる。
(公然とやられましたが…影響は)元々電気事業改正基準は知っていたので、債務超過も想定済み、その先送りをされた。織り込み済みでルールを変え先延ばしし電気料金を値上げするということ。いやなのは、そういうマーケットなのだと世界から思われているので、信頼性という点で非常によろしくないな、と思っている。
<インタビュー終わり>

債務超過を防ぎ、10年その間のコストを電気料金として回収できる。銀行の貸し付けが破綻になると…JALも9割回収できなかったが、まずそれが避けられる。無理から無理をしてこういう事になっている。市場は電力は元々治外法権と知っている。逆に言えば電力会社のバランスシートはこれからはもう信頼されない。東電はつぶさないということが省令でやられた。パブコメは8月10日から9月9日まで募集していた。今期から施行される。どうですか・・・
会計原則を満たさない大変な事が許される、議会も通さないで省令で許されるとは解せない、初めて知った。ちゃんと見れば資料はある、見なかった私が悪いとは思うけど、廃炉を巡る課題と論点、ワーキンググループが出したものをもとにしている。昔の時代が戻って来たような。毎週の様に議論を見る事はできた、今回は物事が決まっている。確実に物事が決まっていく、誰にとって都合のいい事が決まっているか。10月1日から施行されたとはいえ国会で議論されないのはおかしい。家庭は電力会社を選べない。官僚制、審議会、検討会を見直すべき。結論は決まっており、それに向けたシナリオがある。このやり方で物事決めるのは民主的でもないし、プロセスを挟んでいるとはいえ独裁。こんなのあり得ないですよね。直接我々はできないが国会でやってもらいましょうよ。粉飾を合法化する制度、これから続いてウォッチしたいと思う。

<神保・宮台対談終わり>