福島では「移住」という文字が入った行事には助成金が下りない | 脱原発の日のブログ

脱原発の日のブログ

12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

http://takumiuna.makusta.jp/e192382.html

2012年08月20日
福島では「移住」という文字が入った行事には助成金が下りない

(少し旧い記事ですが、この正月に新潟の佐渡島で、春には福島の子どもたちを保養に迎えられる様に…と民家を改造中の、灰の行進をした関久雄さんからも、こういった保養の事業への助成金が受けにくいと聞いたばかりでした。改めて転載)


6.9に原発なくせちばアクションさんが
「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の佐藤幸子さんを
お招きしてのティーチイン企画を実施されました。

その際に佐藤幸子さんが福島の現状を語ってます。
報告集から一部、講演内容を転載いたします。
ちなみに佐藤さんは福島県伊達郡川俣町という福島県の真ん中に位置する中通りにお住まいの方です。
つまりもっと東へ行けば汚染が厳しいということです。



●結論ありきの行政測定


福島市の『市政だより』に、毎月毎月、放射線に関することが出ています。連載で「放射能を知ろう」という記事があります。内部被ばくについてWBC(ホールボディーカウンター)で、飯舘村とか、県内で高線量地帯にいた方を優先して測ってるんです。約3万人を測っているんですども、検査した結果、「全員が健康に影響を及ぶ数値ではありませんでした」という結論にしているんです。要するに全員が預託実効線量1ミリシーベルト以下だという結論を出しているんです。うちの娘も中学生ですが、全員カウンターが受けれたので、学校へ連れていって、受けたんですけども、やっぱり「1ミリシーベルト以下だから生涯にわたってなんら影響がありません」と言われました。内部被ばくはこれからどうなるかわからないのに、「問題ない」と結論づけること自体がおかしいのです。行政は、当てにしない、信用しないというのが今の福島の状況です。



●除染キャンペーンのウソ


行政は除染を随時やっていく方針を決めて、福島市の方では「2年間で4~5 割にする」「避難はさせないけれど、除染でがんばらせてくれ」というのが説明会での話だったのです。でもよく考えてみればセシウム134が2年で4割にな るんです。それが減ってくるから、人力で減らせる量ってのは1割しかないということです。その1割のための除染費用に何億もかけるというのです。よ うやく一般住宅の除染がはじまったのは今年の4~5月ごろです。一番高いといわれていた福島市の渡利地区で説明会をやりました。「一軒一軒屋根は高圧洗浄 機で洗い流して、家の周りの敷地の草とかはすべてとります。土も入れ替えます。」と言いました。でも実際除染作業をやってるのを目撃して、これじゃ無理だ ろうなって思いました。

高圧洗浄機でやってもその水はそのまま流れっぱなし、草木を全部とって、土を入れ替えたりするんですけど、その土はよそに持っていけないんですよ。そうす ると広い敷地のある家は庭に穴を掘って埋めたかもしれないけど、大体の家が家の前に、ブルーシートかけて置いていくだけです。「集めてホットスポットを 作っておいておく」それだけのことなので、おそらく線量は下がっていないと思うのです。

私の知り合いの家で「最初に測らないと下がったかどうかわからない」という ので測ったのです。でも除染終わった後に「どのくらい下がったんですか?」と聞いても、行政は数値を言わないんです。でも「下がりました」とだけ言うんで す。結局、自分で測ったらしいんですが、「前の数値と変わってない」と。だからおそらくそんな期待はできないと思います。

それでも当初のころの数値を福島県民は知っています。福島市でも2~3マイクロシーベルトがあったわけです。高 いところに行くと3とか5とか、ホットスポットにいくと10とか20とか、高いところは30です。そうすると「0.9とかになった」って言われると「あー 下がったあ」ってみんな喜ぶわけですよ。0.とつくだけで下がったと思ってしまう。その感覚ってのはそこに行かないとわからないんです。そこに何十年も住 んでいる福島の人がやっぱりそこにいなきゃいけないと思ったら、少しでも下がれば「下がった」と思いたい。普通の日常生活に戻したいと思えば、そう思わざ るをえないところがあるんです。


●事故収束アピールのために復興イベント


福島県は「福島はもう大丈夫だ、除染費用も国が出してくれる」というような ことをどんどん外に向かって発信したいわけなんです。それで去年はいろいろな行事を自粛したわけです。お祭りとか学校行事にしても、とりあえずは、外のも のはやらないようにしていたんです。その反動があったのかもしれませんが、今年は行事の数や規模が凄いんです。「復興」という文字入ってるものはバンバン 復興助成金が下りる。その一方、「保養」とか「避難」とか「移住」なんていう文字が一言でも入っていたら、それはもう却下です。つい最近も郡山で「キッズパレード」といって、何万人も子どもを集めたイベントが開催されました。後は伊達市の柳川というところで全国花火大会です。初めてですよ。今まで福島でやったことがないような行事やイベントなんです。

この前郡山市では「ビール祭り」と言って、あの開成山球場でやるわけですよ。子どもの屋台も出てやったそうです。全て福島大丈夫だよっていうアピールです。私たちのようにそれはちょっとなって思ってるような人達を本当に激怒させることが今続いてるというところです。



================


福島の現状について多くを語っていただいてまして、上記はほんの一部だけになります。
また改めて続きを書きたいと思います。

メディアからはほとんど福島の情報が伝わってきません。
知ること、伝えることが何よりも必要なのは今の福島の状況ではないのでしょうか。
復興だと、絆と煽るメディアが福島の真実を伝えないで風化させているのです。