【市民版ECRRレスボス宣言2009 矢ケ崎克馬解説・監訳】ピースフィロソフィーセンター | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

【市民版ECRRレスボス宣言2009 矢ケ崎克馬解説・監訳】
http://peacephilosophy.blogspot.ca/2012/08/2009_29.html

<前文のみ抜粋;続きは↑ピースフィロソフィーセンターにアクセスしてください>

【知られざる核戦争】とは-国際原子力ムラの中心機関、ICRP批判の核心! 【市民版 ECRRレスボス宣言2009 矢ケ崎克馬解説・監訳】

4月25日投稿の「ECRR2010勧告の概要和訳 矢ケ崎克馬解説・監訳」に続き、松元保昭さんに続編を寄稿いただきました。リンク先の転載転送はもちろん、内容も自由に転載転送(ただしリンク先も表示)して普及していただきたいと思います。松元さんの質問への矢ケ崎さんの答えはわかりやすく、特に最後の質問⑬への答えは、放射線被害問題と沖縄米軍基地問題を結びつけ、今こそ主権者である市民が学び、考え、行動する重要性を訴えるもので強く共感します。@PeacePhilosophy

【市民版ECRRレスボス宣言2009 矢ケ崎克馬解説・監訳】

はじめに

これは市民が読みやすく自由に活用することを目的とした、「ECRR(欧州放射線リスク委員会)2010年勧告」の付属文書「レスボス宣言The Lesvos Declaration」(2009年)の翻訳です。さきに公表した【市民版ECRR2010勧告の概要―矢ヶ崎克馬解説・監訳】の続編としてご利用いただけると幸いです。

ECRR2010年勧告の本文は、数か国語に及ぶ655件もの研究論文および国際文書が包括的に参照されたかなり専門的な内容で、日本語訳でも三百数十ページに及びます。それらの結論的な主張が前回の「勧告の概要」(14項目、全8ページ)および今回の「レスボス宣言」(18項目、全4ページ)にまとめられているものです。これらの短い二つの文書では、(核兵器製造との密接な関連を指摘していないことを除けば)、原発推進を根拠づけている ICRPのリスク擁護理論に対峙する世界市民の立場に立ったECRRの基本的な主張が各国の行政担当者および市民がアクセスしやすいようにもっとも簡潔明瞭に表現されています。とはいえ、 やはり素人にはむつかしい専門用語も使われていますので、内部被曝の科学者である矢ケ崎克馬さんの解説をいただきました。

矢ケ崎さんは、現代は世界中の市民が国際原子力ムラに仕掛けられた「知られざる核戦争」に巻き込まれた時代であり、このレスボス宣言は、「(世界市民による)国際原子力ムラに対する宣戦布告だ」と語っています。「市民の皆さんと一緒に…「科学に見せかけたウソ」を批判し、具体的で誠実な科学を、市民のいのちと生活を守る実際の力になる懸け橋にしたい」という矢ケ崎さんが、今回とりわけ、この闘いでもっとも肝心なICRP批判の核心を分かりやすく書き下ろしてくださいました。内部被曝研究者として調査や講演に奔走し、原爆症認定集団訴訟や福島集団疎開裁判に市民と共にかかわっている矢ケ崎さんが、「日本政府はあまりにも無知で野蛮です」と語る言葉には重いものがあります。「今、100年先をにらんで、市民のいのちとくらしを守るために…市民が自ら学習する大運動を起こさなければなりません」とも語っています。前回の「勧告の概要」とあわせて、市民に寄り添い「誠実に科学する」日本の科学者による本格的な市民向け「ECRRの解説」であり、力強い市民への呼びかけでもあります。

核兵器を存続管理し原子力産業を推進するIAEAおよびICRPを後ろ盾にし、人命と人権を意図的に無視し責任もとらずに棄民政策を実行して恥じない日本政府・官僚および 電力会社と関連大企業およびメディアの巨大な原子力ムラと対決していくために、そして国際的な連携、連帯が不可欠なこの長期の課題に立ち向かうために、これら二つの文書の解説と翻訳が市民のたたかうちからの一助となることを願っています。普及をお願いいたします。

(2012年8月20日、松元保昭記)