『TPP11について(内閣官房HP)』
日本政府は今国会に協定承認案と関連法案を提出する方針で、2019年の発効を目指すようです。
なお、新協定は、参加国の過半数が国内での手続きを完了させてから、60日後に発効することになります。
TPP11の主な合意内容ですが、次の時事ドットコムニュースの解説が比較的分かりやすいので転載しておきます。
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_seisaku-tsusyo20180309j-06-w440

元のTPPとの相違を大まかに言うと、①貿易・投資ルール分野のうち著作権保護など22項目の実施を米国復帰まで凍結する、②農産物や自動車など「関税」は元の協定どおりに市場開放を進める、といったところでしょうか。
筆者はそもそもTPP協定自体に反対です。そのTPPから米国が離脱し、今回参加国閣僚により署名された「TPP11」には、米国が抜けたことによる新たな問題が出てきています。
北海道新聞「TPP11署名へ 国会は問題点の検証を」より抜粋
乳製品輸入枠は生乳換算で7万トンだが、これは米国分を含んだ旧協定と変わらない。米国が今後、新たな輸入枠を求めてくれば、輸入拡大につながりかねない。
牛・豚肉の緊急輸入制限措置(セーフガード)は逆に輸入量の多い米国が抜けた分、発動しにくくなり、効力が弱まった。
詳しく説明します。
TPPでは、牛肉関税を現在の38.5%から発効16年目に9%に引き下げることになっていますが、国内生産者を保護するため、輸入急増時には関税を引き上げる「緊急輸入制限措置(セーフガード)」の発動が可能です。ただ、上記北海道新聞が述べているように、セーフガードの発動基準として、米国が抜けた分が輸入実績としてカウントできなければ、発動基準に達しづらくなるという問題が出てきました。
バター等の乳製品においては、生乳換算で最大年7万トンの低関税輸入枠が新設されます。この枠に関しては、米国離脱後も量が縮小されていないため、その分、オーストラリアやニュージーランドはより日本に輸出しやすくなります。また、今後、米国が意欲を示す日米2国間でのFTA(自由貿易協定)では、牛肉にせよ乳製品にせよ、確実に新たな輸入枠を求めてくるでしょうから、日本の農業においてはより一層の強い逆風となりますね。
(直近の報道では、米国産の輸入牛肉に対するセーフガード(緊急輸入制限)の制度を維持するとあります。しかしながら、参加国のカナダ産に関しては発動要件を緩和するため、輸入量が増える可能性があるとのことです。)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2844354022032018EE8000/
経済効果については、あえて言及しません。前提条件や分析モデルでいかようにも変わりますからね。