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真の国益を実現するブログ

真の国益を実現するため、外交・国防・憲法・経済・歴史観など
あらゆる面から安倍内閣の政策を厳しく評価し、独自の見解を述べていきます。

TPP(環太平洋連携協定)ですが、米国離脱後、日本、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、マレーシア等の11か国での協議となり、3月8日、TPP11協定と名を改め、参加国の閣僚が協定文書に署名しました。これにより昨年11月に大筋合意した自由貿易を推進する協定内容が確定したことになります。

『TPP11について(内閣官房HP)』

日本政府は今国会に協定承認案と関連法案を提出する方針で、2019年の発効を目指すようです。
なお、新協定は、参加国の過半数が国内での手続きを完了させてから、60日後に発効することになります。

TPP11の主な合意内容ですが、次の時事ドットコムニュースの解説が比較的分かりやすいので転載しておきます。
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_seisaku-tsusyo20180309j-06-w440


元のTPPとの相違を大まかに言うと、①貿易・投資ルール分野のうち著作権保護など22項目の実施を米国復帰まで凍結する、②農産物や自動車など「関税」は元の協定どおりに市場開放を進める、といったところでしょうか。

筆者はそもそもTPP協定自体に反対です。そのTPPから米国が離脱し、今回参加国閣僚により署名された「TPP11」には、米国が抜けたことによる新たな問題が出てきています。

北海道新聞「TPP11署名へ 国会は問題点の検証を」より抜粋
 
乳製品輸入枠は生乳換算で7万トンだが、これは米国分を含んだ旧協定と変わらない。米国が今後、新たな輸入枠を求めてくれば、輸入拡大につながりかねない。
 牛・豚肉の緊急輸入制限措置(セーフガード)は逆に輸入量の多い米国が抜けた分、発動しにくくなり、効力が弱まった。

詳しく説明します。

TPPでは、牛肉関税を現在の38.5%から発効16年目に9%に引き下げることになっていますが、国内生産者を保護するため、輸入急増時には関税を引き上げる「緊急輸入制限措置(セーフガード)」の発動が可能です。ただ、上記北海道新聞が述べているように、セーフガードの発動基準として、米国が抜けた分が輸入実績としてカウントできなければ、発動基準に達しづらくなるという問題が出てきました。

バター等の乳製品においては、生乳換算で最大年7万トンの低関税輸入枠が新設されます。この枠に関しては、米国離脱後も量が縮小されていないため、その分、オーストラリアやニュージーランドはより日本に輸出しやすくなります。また、今後、米国が意欲を示す日米2国間でのFTA(自由貿易協定)では、牛肉にせよ乳製品にせよ、確実に新たな輸入枠を求めてくるでしょうから、日本の農業においてはより一層の強い逆風となりますね。

(直近の報道では、米国産の輸入牛肉に対するセーフガード(緊急輸入制限)の制度を維持するとあります。しかしながら、参加国のカナダ産に関しては発動要件を緩和するため、輸入量が増える可能性があるとのことです。)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2844354022032018EE8000/

経済効果については、あえて言及しません。前提条件や分析モデルでいかようにも変わりますからね。


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以前にも書きましたが、2020年度から大学入試センター試験に代わって始まる大学入学共通テストにおいては、英語は民間の資格・検定試験を活用することが決まっています。

民間試験活用に関しては、受験機会や成績の評価方法の公平性の確保に疑問が呈されるなど、大学の英語教員や高校の校長から多くの批判が出ています。筆者なぞは、導入経緯の不明瞭さや拙速さから、レントシーキング(※)ではないかとも疑っています。

毎日新聞2018年2月19日 東京朝刊より
『民間試験活用に批判続々 「共通テスト英語」シンポジウム』
<民間試験の活用は、マークシート式のセンター試験で評価してきた英語の「読む・聞く」の二つに「話す・書く」を加えた4技能を測ることが目的。現在、活用の対象とする民間試験を決めるための審査が進められており、3月末に公表される。
 大学入試改革を巡っては、16年3月に文科省の有識者会議「高大接続システム改革会議」が英語の4技能評価を推進することを提言した。ただし、民間試験については「知見を活用する。各大学の判断で代替として活用することも有効である」との考えを示すにとどまっていた。
 ところが、文科省は1年後の昨年5月に公表した共通テストの実施方針案の中で、20年度から民間試験を活用することを打ち出した。
 本来の用途が留学資格やビジネスなどさまざまで、出題内容も異なる複数の試験の成績を公平に比較できるのか。経済的な理由や地域によって受験機会に差が出ないか。こうした疑問に加え、対象となる試験も決まっていないことから、高校や大学からマークシート式の試験を残すことを求める声が上がり、文科省は昨年7月、移行期間として4年間は併存させることを決めている。>

※レントシーキング
「企業が政府官庁に働きかけて法制度や政策を変更させ、利益を得ようとする活動。自らに都合がよくなるよう、規制を設定、または解除させることで、超過利潤(レント)を得ようという活動のこと。」(コトバンクより https://kotobank.jp/word/%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0-662266

そこで、英語試験のあり方について考える上でヒントとなる、現在のわが国の英語政策を論じた著作を紹介したいと思います。
東京大学文学部准教授で英語小説の翻訳家、小説家でもある阿部公彦氏の『史上最悪の英語政策~ウソだらけの「4技能」看板』という著作です。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784894769120

一部保守派の中には、日本人の英語力の習得に関しては、それほど力を入れる必要性はないという意見があります。が、その点に関しては、この著者である阿部公彦氏は、英語力向上の必要性は認めていますので、中立と言えるでしょう。

しかし、阿部氏は、現行の、あるいは今後予定されている英語力向上のための教育方法や大学入試における英語試験のあり方に関して強い疑義を投げかけておられます。
この著作は、特に、今後大学入試を控えたお子さんがいる家庭では必読といって良いかもしれません。

主には、英語試験における4技能導入(「読む・聞く」の二つに「話す・書く」を加える)の無意味さ、そして試験の民間委託への疑問、英語文法の軽視に対する批判です。

序文からの一部抜粋です。
政策の管轄は文部科学省です。一般の方の中には、「優秀な官僚が策定した政策だから、間違っていないのだろう。是非、従おう」と考える人もおられるでしょう。私もそう思いたいところです。その一方で、「国はおかしな政策ばかりする。けしからん」と憤る人もいます。
しかし、私はこうした「国」とか「文部科学省」といったとらえ方をいったんやめにしたいと思っています。政策には、政治家にせよ、官僚にせよ、必ず中心的な推進者がいる。また役所の外から呼ばれて仕事をしている人もいる。「国」とか「文部科学省」といった抽象的な主体がいるわけではなく、一人ひとりの人間がことを動かしているのです。いったい誰がどうやって、こういう政策を導入しようとしているのか、そこにはどんな意図や、どんな誤解や、どんな嘘があるのか。そこを見ていきたい。

この文部科学省批判というか、第三者委員会の有識者に対する疑義ですが、これって昨今の国政の意思決定全般にも該当するように思います。
特に内閣府や財務省、経済産業省の、なんでもかんでも規制緩和で民営化、そして財政健全優先主義、これらの事務局としての官僚は真摯に各種政策課題に取り組み、その優秀性を発揮しているのでしょうが、そもそも方向性が間違えている可能性が大なんですよね。

次に、「話す、聞く」といったオーラル中心主義に関して、『第6章「4技能」看板で英語力が落ちるわけ』からの抜粋です。
まず、英語政策失敗の原因が偏ったオーラル中心主義にあるという事実を直視するべきです。TOEIC等の受験者が増加の一途をたどり、書店にも関連本があふれているというのに「英語ができない」のだとしたら、その理由は何か。明らかに行きすぎた文法・訳読の排除のせいではないでしょうか。オーラル中心主義のために英語のレベルはむしろ落ち、あらゆる学歴層がその弊害に遭っています。そのため、将来、英語を必要とするであろう人たちの能力までも低下しつつあるのです。

最後に、「大学入学共通テスト」の英語民間試験の導入で新たに生まれる特需に関する次のような試算が出ていたので、転載しておきます。
なんと、55億円から数百億円も。
http://www.hituzi.co.jp/hituzigusa/2018/02/28/letstalk-4/


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経済学に基づいた分析や論説をオンラインで無料提供するサイト「経済学101」が、拙ブログでも過去に何度か取り上げたMMT(現代金融理論)に関して、MMTerのビル・ミッチェル氏等の論の翻訳を紹介されています。

金融システムの運用の実際や財政赤字が意味するものがよく分かりますよ。

http://econ101.jp/category/translation/bill-mitchell/


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