観光という成長戦略と出国税 | 真の国益を実現するブログ

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あらゆる面から安倍内閣の政策を厳しく評価し、独自の見解を述べていきます。

平成29年12月22日開催の第8回観光立国推進閣僚会議での安倍総理のスピーチです。
「安倍内閣においては、観光を成長戦略の柱、地方創生の切り札と位置付け、精力的に取り組んでまいりました。 その結果、外国人旅行者は、政権発足前の800万人から昨年は2400万人を数え、更に今年は2800万人を超える勢いとなっております。
 しかし、この数字に甘んじるつもりはありません。観光先進国のイタリア、さらにはフランスなどを目標に、2020年4000万人、2030年6000万人の達成に向け、高いレベルの施策を展開していく必要があります。
 このため、国際観光旅客税を創設することとし、本日は、その使途に関する基本方針や具体的な施策を取りまとめました。
 この新たな観光財源を、世界中の人々が訪れたくなる日本の実現のために、先進的でコストパフォーマンスの高い施策に充当します。例えば、国際空港に、瞬時に顔を認証して通過できるゲートを整備し、快適な旅行環境をつくりだします。あわせて、透明性確保のため行政事業レビューを活用し、第三者によるチェックもしっかりと行ってまいります。」
http://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201712/22kankourikkoku.html
国際観光旅客税とありますが、いわゆる「出国税」のことです。

NHKのホームページに分かりやすい解説があります。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/287026.html
2019年の1月から、日本を出国する際に、一人当たり1000円が徴収されることになります。目的税として、主に外国人観光客を増やすための施策に使われます。

ただし、まだ使途については明確ではありません。
先の解説では、「たとえば日本にやってきた外国人旅行者が、スマホをつかって、どこにどのような観光地があって、どうやって行くのか、あるいはいつどのようなイベントをやっているか、さらに宿泊先や両替ができる場所といった情報をすぐに手に入れられるようなアプリを開発する。」とありますが、これだけでは何百億円も要らないでしょう。

総額では400億円もの増収だそうです。現在外国人観光客の関連予算としては、観光庁など各省庁合計で700億円あまりなので、結構大きな金額です。このような増税までして、安倍政権は外国人観光客を増加させたいのですね。

外国人観光客の消費に頼る成長戦略とは情けない。
外国人観光客の増加要因としては円安が大きく、要は外国人にとって日本での買い物は割安なんです。逆に言うと、日本人の購買力が低下しているとも言えます。
安倍政権は日本人の貧困化を望んでいるのでしょうか。

「出国税」に話を戻しますが、外国人観光客に対して課税する理屈は分かります。なぜなら、外国人観光客が日本で観光する際、ゴミ処理やトイレ利用等さまざまなコストを掛けたことになるからです。しかし、この「出国税」は日本人が海外に出国する際にも課税されるのです。海外旅行者には担税力があるとして、増収のため安易に決めたのでしょう。先のNHKの解説には、空港でのセキュリティチェック時のスピード化やテロ対策の強化で、日本人にも恩恵があるとしていますが、増税でやるべきことでしょうか、筆者には疑問です。


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