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本当に素晴らしい本が世に出ました。日本の世論を健全化する特効薬といっても良い本ではないか、と私個人は感じています。
哲学者、適菜収さんの「なぜ世界は不幸になったのか」です。
賢者の著書から抽出された知恵の数々が、見事に凝縮されています。
賢者の例としては、ショーペンハウアー、三島由紀夫、ゲーテ、西田幾太郎、ハンナ・アーレント、エドマンド・バーク、ニーチェ、福沢諭吉、山本七平、マックス・ウェーバー、トクヴィルなどです。
著者は、「はじめに」で、賢者たちが指摘している歴史のターニングポイントは「近代」であると言っています。
安倍晋三総理大臣は、一度目の政権で「戦後レジームからの脱却」と言っています。しかし、よく考えてみると、戦後レジームという造語も、「近代」という概念の中でしか考えられていないのだと思います。「戦後」というか「敗戦」だけが問題なのでしょうか?
昨年末にご紹介させていただきました、西部ゼミナールの「メディアクラシーの落日」では、左翼も右翼も「戦前・戦後」という区切りばかりに目を取られて、歴史の連続性に目を向けていないと主張されています。
まさに、適菜収先生が述べていることと同じなのではないのでしょうか?
問題は、「敗戦」という歴史の一時点だけではなく、「近代性」にあるのではないのでしょうか?
また、適菜収先生は「解決策、解決策とよく言われるが、安易な解決策など存在しない」とも主張されています。その通りなのだと思います。国民一人一人が古典を読んで、「静かに」考えるしかないのだと思います。
このブログも、本当は「恥ずかしい」「情けない」という思いも少なからずあるのですが、あまりにも安倍信者がおぞましいので、「仕方なく」「あえて」書かなければならない、というところだと思います。
特に重要だと思った言葉は、三島由紀夫の以下の言葉であると思います。
「とにかくわれわれは、断乎として相対主義に踏み止まらねばならぬ。宗教および政治における、唯一神教的命題を警戒せねばならぬ」
まさに、某政治家の支持者に贈らなければならない言葉だと思います。右派の「自由からの逃走者」が暴走して危険な政治状況ならば、本当の保守派はそれに対するバランサー、カウンターになるべきでしょう。
また、同じく三島の以下の言葉も重要であると思います。
「地域共同体が崩壊してしまつた中で、いつたい国とは何かと問はれると、仕様がないから国土だといひ、その国土を外敵から守るのが防衛だ、と答へる。しかし、その国土といふのは単なる地面であって、これは日本がたとへ共産政権になつたとしても、何んの変わりもない」
私たちは、日本列島に住むただの哺乳類、二足歩行の動物ではないのです。日本文化と日本語を大切にする「日本人」なのです。移民を大量に受け入れる安倍政権は「保守」なのでしょうか?
とにかく、この本が100万部売れるくらいにならないと、日本の世論は健全化されないと思います。
