【雑記】シーレーン・石油・中国と日本の戦略 | 真の国益を実現するブログ

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本日は外交と安保について語ります。雑記です。

1.「シーレーン」とは何か?

皆様、「シーレーン」という言葉をご存知でしょうか?

駅から家に帰る時、一本道で、もし通り道に怖い不良集団がいたり、病気を持っていそうな野良犬がいたら、イヤですよね。帰りにくいですよね。

日本は、石油を中東に依存しています。地図をみてください。

シーレーン 

中東、例えばサウジアラビアから日本までは、相当に長い航路をたどることになります。この長い航路のどこかで、海賊に襲われたならどうなるでしょうか?怖いですね、石油が日本に届かないかもしれません。

日本の石油はただでさえ中東依存なのに、日本は原発が停止しているため、もし石油が入らなくなったら恐ろしいことになります。日本経済は破綻します。マスコミは「財政危機!」などと叫びますが、本当はシーレーンの問題の方がよっぽど重大なのです。

特に重要なのは、オレンジ色の○で印をつけた「チョークポイント」と呼ばれるエリアです。マラッカ海峡のことです。ここが寸断されれば、本当に石油が届かなくなります。

2.シーレーンをどうやって守っているの?

今、日本のシーレーンを守ってくれているのはアメリカ合衆国の海軍です。日本とアメリカは日米安保条約によって事実上の同盟関係にあります。また、日本とアメリカのシーレーンはほとんど一致しています。そのため、アメリカの商船と同時に、日本の商船も「ついでに」守ってくれているのです。

第二次世界大戦の時は、アメリカ海軍によって日本の商船が次々に沈められて、日本は飢餓一直線だったのですが、皮肉なものです。

しかし、この状態も永遠には続かないと思います。要因としては、

・アメリカの財政問題
・シェール革命

上記の2点です。シェール革命は詐欺という話もありますが、いずれにせよアメリカは少しずつ世界中に散らばった海軍を縮小していく可能性が高いです。

今はアメリカにおんぶに抱っこなのですが、アメリカとしては内心「JAPもいい加減、自立しろ!」と思っていることでしょう。

3.この先、シーレーンをどうやって守るのか?代替戦略はあるのか?

もし万が一、アメリカが中東近海やマラッカ海峡から手を引くとなったら、日本はどうすれば良いのでしょうか?

いくつか考えうる選択肢があります。

①改憲により国防軍を創設して、中東防衛に乗り出す
②集団的自衛権を行使可能と宣言し、インドと軍事同盟を結び、シーレーンを守ってもらう
③米国債を買うなどしてアメリカ財政を支えて、シーレーンを守ってもらう
④ロシアとエネルギー面で協力関係を築き、ロシアから石油を輸入する
⑤メタンハイドレートなど、新しいエネルギーを開発する


まず、①の場合は天文学的な軍事費が必要になります。デフレなのである程度の軍事費増加は良いのですが、やり過ぎるとインフレ一直線、お金や資源など多くを軍事にとられて生活水準は下がるでしょう。

②は、インドの軍事力がまだ頼りないので、10年以上先の戦略でしょう。

③は、天文学的な米国債を買わなければならないので論外です。

④は、それなりに有効な戦略です。ネックとなるのは北方領土問題です。

⑤は、まだまだ先でしょう。これも10年以上先の戦略です。

4.中国はどう出るのか?

国家というものは、常に膨張・拡大する本能を持っていると思います。例を挙げるならば、

・ドイツはプロイセンを中心に統一後、膨張路線をとってイギリスと対立した。第二次大戦では東方生存圏を求めてソ連と戦った。

・ロシアはモスクワ周辺の小国から、東方へ進出して巨大な国家を築いた。

・アメリカは、東部13州から西部開発を行い、巨大な国家に発展した。ハワイやフィリピンも領有した。

・日本は、台湾や樺太、朝鮮、南洋諸島では飽き足らず、満洲国を建国した。


・・・中国もまだまだ、膨張の欲望を抑えてはいないでしょう。シーレーンがネックなのは日本だけでなく中国も同じです。アメリカや、将来はインドにクビ根っこを抑えられるのは勘弁と思っているでしょう。

そのため、中国は以下の行動をとる可能性があります。

・海軍を巨大化して、アメリカの覇権に挑戦する。

・もしくは、アメリカと同盟して、太平洋を分割統治する

・インド洋へ進出して、インド海軍と対立する



・・・こうした中国の動きに対して、日本はどのように対抗するべきでしょうか?もし、チョークポイントを中国に押さえられたら、日本の生殺与奪は中国に握られてしまいます。

それを避けるためには、インドやロシア、インドネシア(特にインドが重要と思います)と軍事同盟を結び、中国をけん制する必要があります。

核武装しているインドやロシアは頼りになるはずです。そのためにも、早く北方領土問題は解決している必要があるのです。