企業の利益VS国民の利益 | 真の国益を実現するブログ

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真の国益を実現するため、外交・国防・憲法・経済・歴史観など
あらゆる面から安倍内閣の政策を厳しく評価し、独自の見解を述べていきます。

安倍総理はグローバル化に意欲を見せています。果たしてグローバル化の推進が日本の国益にかなうのでしょうか?

日本の輸出額が伸びると、その利益は国民に還元されそうな気がします。実際、90年代頃まで日本の輸出額が伸びると、国民所得も増えていました。

しかし、2000年代頃から流れが変わっています。輸出額が増えても所得が増えなくなりました。これは日本に限った話ではなく、ドイツ等でもそうです。労働分配率が下がったのです。労働分配率の低下が先進国に広く見られました。

背景にあるのはグローバル化です。中国やインドといった途上国の低賃金労働者と、先進国の労働者との間で激しい競争となりました。

先進国の企業はグローバル競争に勝ち残るため、労働者の賃金を抑制せざるを得なかったのです。

世界的にグローバル化が進んだために多くの国で一般家庭の所得水準が下がり、グローバル企業の利益が大きくなりました。グローバル企業にとっては労働者の賃金はコストでしかない。労働者の待遇を良くすると国際競争力が下がるのです。

国際競争力を強化すると言えば聞こえはいいです。しかし今後、国際競争力の強化の名のもと更に多くの労働者の賃金が引き下げられ、国民の生活レベルはますます低下するのではないかと強く危惧します。

日本の企業が競争に勝ったとしても、一部の企業にしか恩恵が無いのであれば何の意味もありません。

企業と国民の間で利害が対立するグローバル化には歯止めをかけねばなりません。広く国民を富ませるのが政府の役割であり果たすべき使命であると筆者は考えます。


安部総理は、TPPについて「歴史の必然」
「国家百年の大計」等とかなり意欲を見せています。TPP参加はほんの序の口。FTAAPなど、より自由貿易の範囲を広げて行くことが総理の目的なのではないでしょうか?

グローバル化の推進で国民が豊かになれるのであればそれでもいいです。しかし現実は外国企業の競合や、外国人労働者との人件費引き下げ競争がより激しくなるでしょう。しかもその競争の煽りを受けるのは若年層、中小企業、失業者など社会的に弱い立場の人が多いのです。

グローバルの推進に取り組むより、適度な国内産業保護により国内雇用の安定化を図るべきだと思います。