今日は昭和の日であります。少し前までは「みどりの日」であり、昭和の時代は「天皇誕生日」でした。
戦後間もない頃、広島を訪れた昭和天皇
日本における「ゴールデンウィーク」の始まりの日とも言えます。
して、なぜ平成天皇の誕生日は祝日となっていないのか。いや、それを言うなら大正天皇の誕生日は、いや、それよりも明治天皇の誕生日はなぜ休日になっていないのか(※ 明治天皇の誕生日は、現在は文化の日です)。いっそ、神武天皇の誕生日を祝日として、なんて言い出しますと歴代の天皇の誕生日をみな祝日になんてことになり、もはや収拾がつかなくなるでしょう。
そもそも、天皇誕生日は新しい天皇の代となりましたら移ってゆくものでした。
しかし、時の政府は、国民の間に既に定着していた風習とも言うべき「ゴールデンウィーク」が存続できなくなってしまうことの影響を考え、この日を「みどりの日」という国民の祝日として残すことにします。
これが平成元年(1869年)から平成18年(2006年)まで続きます。
また、名称ですが、我が国は自然が豊かであり、その恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむと同時に、昭和天皇が自然を深く愛されたことをもって決められたとされます。
しかし、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いを満たす」という趣旨において2007年、国民の祝日に関する法律(祝日法)により、この日を改めて「昭和の日」とし、「みどりの日」は5月4日に変更されました。
これにより、かつては「飛び石連休」などと言われた、飛び飛びの祭日が解消され、土日とからめて、企業などが平日も休むことにしますと、きわめて長期の連休が生じることにもなりました。
季節もよく、晴天の多い日が続けば、絶好の行楽日和であり、とかく「日本人は働きすぎだ」などと言う海外からの批判もあり、この期間はみなゆっくりしましょう、どこかへ行きましょう、というわけなのであります。
むろん、世の中には、こんな長期連休を取ることもできない方々も多数おられるわけでして、例えば行楽地などで働いておられる方などには感謝の意を示すべきでしょう。
あっし自身、販売サービス業に身を置いていた時は、この期間は稼ぎ時なんて言われて、まずもってフル出勤でしたねえ。
年末年始、それも元旦なんて日にも働くことがありましたが、こと元旦などは、老若男女がほろ酔い加減で晴れ着なんかを着て浮かれているのをながら、
あん人達は よか衆 よか衆 よか帯 よか着物 ♪
なんて思ってました。
ちなみに、11月3日は、今日では「文化の日」ですが、元々は明治天皇の誕生日で祝日でした。
ついでに言えば2月11日の「建国記念日」は、元々は「紀元節」と言いまして『日本書紀』にありましては、この日に神武天皇が即位したとされます。
また、今上天皇、つまり現在の天皇の誕生日(2月23日)もありまして、こうしてみますと日本という国の祝日は天皇に絡んだ日が多いことに改めて気づかされます。
何だっていーんだよ。休みでありさえすれば
なーんて言う方もいると思いますが、昭和の時代、それも戦時中であれば、それこそ、国賊、非国民なんて言われたでしょうねえ。
また、これ、何度か書いておりますが、初詣で明治神宮に参拝に来ていた晴れ着姿の若い女性に「この明治神宮の祭神を知ってますか?」なんてインタヴューにおいて、
えー、誰?わかんなーい
なーんて、こきゃーがったのには、もはや怒髪天を衝くという思いで、
畏れ多くも明治天皇に対するなんたる不忠者が
そこになおれ。天誅!
なーんて気にもなったものです。
俳人の中村草田男のものに、
降る雪や 明治は遠くになりにけり
というものがありますが、明治も、大正も、いっそ昭和も、もはや遠い過去のことなんでしょうか。
耳も遠く・・・、というか、最近は自分にとって都合の悪いことは、極力、聞こえないようにしておりますけどねえ。
えっ、そんなこと聞いてねーぞ
と、ばっくれられますからねえ。長い人生経験から掴んだ智恵(悪智恵?)ってもんです。
さて、この昭和天皇ですが、それこそ激動の時代を生きた方で、その生涯にはなかなか興味深いものがあります。
それを少し掘り下げてたどってみるというのも、面白いかもしれません。