2014年 「街角」
キンモクセイの香りが
どこからか漂ってくる
住宅街を通り、仕事場に向かったぜ。
この香りが漂うと、秋も
本番になるぜ。
昨夜は嫌な事が、あって
一杯呑んで、心斎橋の地下鉄に
乗って帰ろうとしたら
丸刈りのオニイサンが、俺を
ジ~っと見てるのよね。
喧嘩でも売られるのかな?と
身構えていたけど、そうでもないみたい。
しばらくして、振り返ると
まだ、見てやがんの。
そして近づいてきたもんだから
「仕方ないな・・・」と覚悟を決めた途端
「先生!」と言いやがる。
そういや、どこかで見覚えのある顔だぜ。
「Fです!ダテマキ先生でしょ?」
通りの石のベンチに並んで
腰掛けて、話するうちに
思い出したぜ。
8年前に学校で教えた当時の学生だったぜ。
今は26歳の青年に、なってたぜ。
当時の話を、懐かしくして楽しかったぜ。
「また、どこかで会おう」
握手して別れたぜ。
こんな稼業をしてると、沢山の人と
出会い、そして別れるぜ。
俺は冷たい男で、いちいち、覚えていないのよ。
でも、向こうは覚えてるんだろう・・・。
犬も歩けば棒に当たる
俺が、歩けば、懐かしい人に当たるぜ。
キャンキャン
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