「聖夜-2」 1998年作
クリスマスの夜、神様は、この日一日だけでも
みんなが心安らかに、過ごせるように
みんなのボディガードの為に聖人を街中に派遣したんだって。
聖人は一般市民に姿を変え、中には
ホームレスの人の姿に変えて、みんなに
災難が降りかからないように、
何かあれば飛んでいけるように
一晩中パトロールしてるんだって。
昨年、心斎橋の御堂筋に面したカフェの2階で
ガラス越しにクリスマスの街の夜景を
珈琲を飲みながら楽しんでいたら
向こうの端の席に、黒いハットを被った
初老の紳士を見つけたのよ。
誰を待つのでもなく、煙草をくゆらせながら
道行く人を、楽しそうに見ているぜ。
向こうも気が付いたのか、こちらを見て会釈した。
俺も何かを感じたのか会釈を返したぜ。
友人との待ち合わせの時間が来たので
席を立ち、レジに向かうとき、その紳士の横を通ったら
「メリークリスマス」と、しゃがれた声が聞こえた
振り向くと、誰も居ないじゃない。
かの紳士の姿もない・・・・。
コートの襟を立てて、御堂筋を約束の場所へと
歩きながら
「彼は、きっと派遣された聖人だったんだ。」
と思ったぜ。
夜空に流れ星がひとつ飛んでいった。
2006年12月25日の「だてっち日記」より
