祖母や母も 時々タバコを吸っていたようだ
でも 子どもの頃から接してきた感覚からは
2人ともほんの少ししか 吸っていなかったように思う

祖母が体調を崩して入院して
その後かなり体調が良くなったときに
タバコをすすめてみたのだが 
いらないと言った
体調のせいもあるだろうけど もういらなくなったらしい
普段からあまり吸っていなかったんだな と思った
ちなみに 今では考えられないことだが
当時 病院では病室で入院患者が堂々とタバコを吸っていた

母も あんまり本数は多くなかったと思う
私が大人になるまで 母が喫煙者だとは知らなかったほどだ
1日に3~5本ぐらいの喫煙なら それほど体にも悪くないだろうし
いざとなったら我慢もできるだろう
まさに 休憩時の「一服」といった感じだろう


当時は実家から1時間半ほど離れたところに住んでいたが
月に1回程度は顔を出すようにしていた

タバコをやめて2か月が経ったころ 実家へ行って母に言った

「タバコやめたよ もう全然吸いたくないし 完全に禁煙できた
 もう大丈夫だけど 1日に3~5本ぐらいなら吸ってもいいかな
 試しに ちょっと1本だけくれる?」

そう言って1本 母からもらって吸ってみた
いがらっぽい感じで あんまりうまいとは思わなかった
やっぱりやめて正解だったな・・・

そして帰宅したのだが

やがて苦しさが襲ってきた
あの ニコチンを断ったときの 何とも形容のしがたい苦しさだ
全く欲しくなかった筈なのに・・・

その日は 少し経てば収まるだろうと思い
苦しみをまぎらわすために 酒を飲んで寝てしまった

次の朝・・・・目覚めた途端 苦しくて苦しくてたまらない
だが タバコは全て処分してしまって 手元にはない

何故だ 2か月間何ともなかったのに
タバコなんて全然欲しいと思わなかったのに・・・

もう少し耐えてみたら楽になるんじゃないか
苦しみながら 何とか1日仕事をこなした
そして帰りの電車の最寄り駅のホームに着いたとき

とうとう耐え切れず
自販機でタバコを買って 吸ってしまった

この時のタバコは 心の底から うまかった
頭が痺れて 少しクラクラする感覚がたまらなかった


タバコには 悪魔が棲んでいる
まさに悪魔そのものだ
完全に離脱したと思っていたタバコには 
強力な誘惑を秘めた悪魔が棲んでいたのだった

教訓・・・やめたからには 
たとえ1本たりとも吸ってはいけなかった・・・


こうして ものの見事に そして いともたやすく
元の喫煙者へと 舞い戻ってしまったのであった


続きます