シーンが移り、皆各々に時間を過ごすシーン。皆舞台上にいる状態で、会話しているところにだけスポットが当たる状態で進行。
まず、彼女のミナちゃんに手紙を書く尾有と、傍らでライスカレーをほおばる流山。
尾有に”もう接吻はしたのかい?””君を抱きしめたい、君と接吻したい、と書け!”などと、まくしたてる流山。
そんな流山をあしらうつもりで流山にも手紙を書くことを勧めるが、流山は”手紙を書く肉親も恋人もいない”と、あっさりと告白する。
軽はずみなことをしたと申し訳なく思うあまり、尾有はその場でミナちゃんへ書いていた手紙を破って、こんな無神経な自分を許してくれと謝る。
流山は”俺の前でミナちゃんに手紙を書いたことを悪いと思うのなら、俺の前でミナちゃんに手紙を書けぇ~い!!”と、言ってのける。
このやり取りも、すごくすきです。二人とも仲間想いで。
流山はわりと何を考えているかわかりにくいイメージなのですが、重くならないよう、さらっと相手を思いやったことを言えたりする、すごく味のあるひとです。
このあと、またミナちゃんに手紙を書き始めた尾有が”お前と離れる事があったら、俺がお前に手紙を書くよ”と言うのも、尾有の優しい想いが詰め込まれた一言だなぁと。
次に、酒を酌み交わす出戻中尉、石田中尉。
出戻中尉も石田中尉も、気持ちは少年のままで。しかし、上に立つひととして、才ある若者たちが次々と命を落としていく姿を見る様子に胸を痛める、複雑な心境を語り合う。
自分たちが生き残っているのはたまたまだと、謙遜とも自嘲とも取れるような表現も。
そこにやってくる足立。昼間の後藤の態度を許してやって欲しいと詫びる中尉。
後藤は零戦に独りで乗る孤独と、零戦乗りのなかで感じる劣等感という孤独を抱えて、敷居たちを見下すことで自分を保とうとしてしまっている。
不器用なため、そういう風に振舞ってしまうのだと。
このあたりの会話は、お酒を飲みながらなのでラフな感じで進行していくのですが、その酔ったノリに、ぽつりぽつりとこぼれる本音に、考えさせられることが多かったように思います。
次に、ライスカレーの食べすぎでまたも爆弾を投下している熊田と、何故か傍らにいる大平。
食べ過ぎるから腹を下すんだとたしなめる大平に、自分は家が農家でライスカレーなんて食べられなかった、ライスカレーが食べられるから海軍を選んだこと。・・・つまりは、ライスカレーがすごく好きだと言うことを告げる(笑)
熊田は何故かいつもトイレに行かず、敷居たちがいるチーム周辺で用を足す。それゆえ、周辺は大平のう○こだらけになっている。
“お前はそれで結界でも作るつもりか!!”と言う大平に対し”俺は、用を足しているときでも皆の傍に居たいんだ”と、告白する熊田。
・・・このシーンは、多分、感動ではなく笑いのシーンだとおもいます 笑
いままでのシーンのいい雰囲気が続く中で、なんとなくいい事を言ったように見せかけて、アレ?というのが狙いじゃないかと 笑
でも、普通にそんなアホでかわいい熊田も、文句を言いつつ熊田といっしょにいる大平も、なかよしでほのぼのします^^
(しかしこのとき熊田は拭くものを用意しておらず、手で拭いたそのまま大平と握手をしてしまい、笑顔で叱られることになります 笑)
次に、相変わらず”スタンレーの魔女”を読みふける敷居のもとに、ふと現れる後藤。
昼間のことをやはり悪いと思っているらしく、でも不器用なため素直に口に出来ない。
やがて後藤は、自分が零戦のパイロットで戦っている孤独と、周りへの劣等感を感じているということを打ち明ける。
その後二人は打ち解け始め、敷居は独りで戦場で戦うことが嫌だということ、後藤は敷居たちのことがうらやましいという思いを伝え合った。
このシーンは、後藤と敷居がぎこちないながらも歩み寄ってゆく姿がとてもすきです。(といっても、敷居はもともと普通に後藤を受け入れているんですけれどね 笑)
しかも、一通りいい終えたあと、照れ隠しのように”別にこれは愚痴とか心境の吐露とか、そういうんじゃないんだからな!”とか言っちゃう後藤 笑
後藤の言葉に、ニヤニヤした顔で返す敷居。それをまたいちいち気にしちゃう後藤。
なんだかすごくほほえましいんです、この二人。
そんなかんじで、さまざまに時間を過ごす一同。
シーンが変わり、生きている部品を集めて、皆で協力して飛行機を組み立てる。
この際、後ろにたてかけてあったトタンを移動して機体の底として組み立てたりして、飛行機らしく舞台を形作ってゆくところも見所。
バックではSean Northの”七つめの海”がかかっていて、この曲がまたすごく気分を盛り上げてくれるんです。
なんとか一機出来上がり、いよいよエンジンをかける。どうか動いてくれ・・・!という緊張感。
・・・プロペラが回り始める。動いた!飛べる!!歓声をあげ、全身で喜びを表現する一同。
このとき、ほんとうに皆“飛べることへの喜び”でいっぱいで、心からうれしそうに目を輝かせています。
わたしは、その姿に心を鷲づかみにされつつ、えもいわれぬ切なさも感じていました。
皆で飛行機を作り、飛ぶことが出来る。戦争中、爆撃機部隊にいる彼らにとって、それは死ぬかもしれない戦闘への参加を意味しているからです。
しかし、彼らはそれを十二分にわかっているにも関わらず、ほんとうに無邪気な少年のようで・・・