「配当で生活したい!できれば月30万円(手取り)ほしい!」
この夢、計算すると一気に現実になります。
理由はシンプルで、税金・減配・インフレ・暴落耐性が全部まとめて襲ってくるから。
この記事では、配当生活が「想像よりキツい」理由を整理しつつ、税引後で必要資産を逆算して「現実ライン」を見える化します。
(※動画用に作ったフリップも貼りながら解説します)
①幻想→現実
よくある幻想がこれ。「資産3,000万で配当だけで月30万いけるっしょ」。
でも税引前で考えるとズレます。
3,000万円 × 利回り4% = 年120万円(税引前)
税引後(税率20.315%想定)だと…年約95.6万円 → 月約8万円。
配当生活が「想像よりキツい」3つの理由
- 税金で手取りが削れる(税引前で語るとだいたい事故る)
- 減配・無配は普通に起こる(配当は固定給じゃない)
- インフレで生活費が上がる(長期ほど地味に効く)
だから、「利回り4%なら余裕」ではなく、税引後で逆算して現実ラインを作るのが大事です。
②必要資産の式(税引後で逆算)
ここが本題。必要資産はこの式で出せます。
必要資産 = 年間生活費(手取り) ÷ {利回り(税引前)×(1−税率)}
例:月30万円(手取り)で生活したい(年360万円)
利回り4%想定、税率20.315%なら…約1.13億円。
③早見表
「じゃあ月いくらなら、資産いくら?」を一発で見るのが早見表。
ここで特に刺さるのが、月30万×利回り4%=約1.13億のセルです。
ここで重要なのは、この数字が「生活費を配当の手取りだけで100%賄う」試算だということ。
現実には、暴落や減配があるので、ここにバッファ(現金・債券など)を足すのが“生存戦略”です。
④結論(1億円級になりがち)
「配当で月30万(手取り)」は、前提をそろえて逆算すると1億円級になりがち。
しかもこれは、最低ライン(バッファ無し)の話です。
⑤生存率が上がる設計(配当100%はやめよう)
正直、配当だけで生活費100%は難易度が高いです。
生存率が上がるのはこの形:
- 配当:固定費の一部をカバー(精神が安定)
- 取り崩し:足りない年は無理しない(高利回り追いを回避)
- バッファ:現金6〜12か月、できれば1〜2年+分散
NISAは手取り改善に効きますが、受け取り設定ミスや、外国株配当の現地税など条件によって差が出ます。
「配当は下支え、不足は取り崩し」で全体の安全度を上げるのが一番強いです。
まとめ:まずは“現実ライン”を作ろう
配当生活は不可能じゃない。
でも税引後で逆算しないと、必要資産は簡単に3〜4倍ズレます。
手順はこれだけ:
- 自分の生活費(手取り)を決める
- 早見表 or 式で必要資産を逆算する
- バッファ(現金・債券)を足して“生存設計”にする
最後にひとこと
夢を否定する話じゃなくて、夢を死なせない設計にする話でした。
注意(免責)
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・投資行動を推奨するものではありません。投資には元本割れ等のリスクがあり、最終判断はご自身の責任でお願いします。
税制(配当課税・NISA等)や各種制度は変更される可能性があります。個別事情(所得水準、外国株の現地源泉税、配当受取方法の設定状況、申告方法による影響等)により手取りや必要資産は変動します。必要に応じて、公式情報や証券会社の案内、専門家へご確認ください。
【悲報】配当で月30万生活、必要資産が想像の3倍(税引後で計算すると1億円級)




