こんにちは。今日はFIRE界隈で定期的に出てくるやつ――
「3000万円あればFIREできる」って話、年齢別に“数字で”殴って現実チェックします。

※この記事は「教育目的のシミュレーション」です。
投資判断はご自身の状況(支出・年金見込み・家族構成・資産配分・税/社保)に合わせて調整してください。


結論:3000万FIREは「条件付き」

結論から言うと、「3000万でFIREできる」は、だいたい足りないです。
成立するのは主にこの2パターン:

  • 支出が極端に低い(月10万円レベル)
  • 年金/副収入で不足分を穴埋めできる(セミFIRE寄り)


まず現実:3000万円は“年いくら/月いくら”使える?

ポイントは「取崩し率」
資産を運用しながら、毎年どれくらい取り崩すか(目安)です。

3000万円を、取崩し率別にざっくり計算するとこう:

  • 4%:年120万円(=月10万円)
  • 3.5%:年105万円(=月8.75万円)
  • 3%:年90万円(=月7.5万円)

つまり、「普通の生活(年200〜350万くらい)」を想定すると、3000万円はスタートラインに立てないことが多い。
(もちろん、実家・持ち家完済・夫婦共働き・副収入・年金が厚い等で変動します)


専門パート:FIRE必要額の基本式(いちばん大事)

必要資産の基本はこれだけ:

必要資産(概算)= 年間支出 ÷ 取崩し率

例えば年間支出300万円なら…

  • 300万 ÷ 4% = 7,500万円
  • 300万 ÷ 3.5% = 8,571万円
  • 300万 ÷ 3% = 1億円

「3000万でFIRE」は、支出が月10万世界線の話だと分かります。


支出別:必要資産(目安)を“表”で可視化

あなたの家計簿の年間支出を当てはめると、難易度が一発で見えます。

年間支出 取崩し率 4% 取崩し率 3.5% 取崩し率 3%
200万円 5,000万円 約5,714万円 約6,667万円
300万円 7,500万円 約8,571万円 1億円
400万円 1億円 約1億1,429万円 約1億3,333万円
500万円 1億2,500万円 約1億4,286万円 約1億6,667万円

※目安です。税・暴落・インフレ等で必要額は上振れしやすい点に注意。


年齢別:若いほど“取崩し率を下げたくなる”→必要資産が増えがち

若いほど運用期間が長くなり、暴落やインフレの回数が増えます。
さらに退職直後の下落(シークエンス・リスク)もあるので、取崩し率は保守的に置きたくなりがちです。

支出300万モデル(目安)を年齢別に置くとこんな感じ:

  • 30歳:取崩し率 3.2% → 約9,375万円
  • 40歳:取崩し率 3.5% → 約8,571万円
  • 50歳:取崩し率 4.0% → 7,500万円
  • 60歳:取崩し率 4.2% → 約7,143万円

※取崩し率は目安。資産配分・現金比率・支出の柔軟性で変動します。


じゃあ「3000万でいける」現実パターンは何?

① 支出が月10万円レベル(年120万)

  • 家賃がほぼゼロ(実家/持ち家完済)
  • 車なし、固定費極小
  • 支出をすぐ下げられる(生活の柔軟性が高い)

② 年金・副収入で“不足分”を穴埋め(セミFIRE)

例:年間支出240万、資産3000万(4%で120万)→不足120万。
これを年金/副収入で埋められるなら成立しうる。

  • ブログ・配当・不動産などで年100万以上の安定収入
  • 65歳以降は年金で支出の大半がカバーできる見込み
  • 働く/稼ぐを完全にゼロにしない

“詰まない”ための実務Tips(ガチ)

① 現金クッションを決める

FIRE後の最大の敵は退職直後の暴落
生活費の1〜3年分を現金/短期資産で持つと、暴落時の取り崩しを減らしやすいです。

② 支出を「固定費」から削る

FIREは利回り勝負に見えて、実は固定費ゲー
年間支出300万→240万(-20%)なら、必要資産もだいたい-20%で下がります。


まとめ(煽り抜き)

  • 「3000万FIRE」は、支出が年90〜120万級か、年金/副収入で穴埋めできる設計がないと厳しい
  • 若いほど取崩し率を保守的に見たくなり、必要資産は増えがち
  • まずは年間支出を出す → 年齢に合う取崩し率(目安)を当てる → 必要資産を出す。ここから全部が始まる

YouTube動画版が公開中なので、よければそちらもどうぞ。

 


免責:
本記事は情報提供のみを目的としており、特定の金融商品や投資行動を推奨・勧誘するものではありません。
運用成績は将来を保証するものではなく、元本割れの可能性があります。税制・社会保険・年金制度等は変更される場合があります。
最終的な判断はご自身の責任で行い、必要に応じて公的な一次情報の確認や専門家への相談をご検討ください。