JOGの質 ~いいJOGとは~ | 酒井根走遊会のページ

みなさんこんにちは。

 

酒井根走遊会です。

 

今日は“JOGの質”というテーマでお送りします。

 

長距離の練習で多くの時間を占めているJOG。

JOGのペースは人それぞれだと思います。

中学校・高校の部活動ではJOGは個人ではなく主に集団で行う傾向にあります。

大学生や実業団になると個人で行うことも増えてきます。しかし時にはグループJOGなどで、集団でJOGのペースを決めて行うこともあります。

 

JOGの質

私が高校の時は、基本的に朝は集団で400mトラックを25~30周、午後は12㎞(600mコースを20周、もしくは13㎞コース1周)でした。

朝の400mトラックは1分35秒~1分30秒/周 ※3分57秒~3分45秒/㎞

午後の600mコースは3分00秒~2分30秒/周 ※5分00秒~4分10秒/㎞

(さらにマスクをつけ、鉄アレイ500g×2を持ってJOGするというトレーニングスタイル)

 

大学では、基本的に朝は60分各自/13㎞集団/15㎞集団(集合解散場所まで往復4㎞)

朝の集団13㎞・15㎞では4分~3分10秒/㎞ ※さらに速いこともある

朝の60分では6分~4分/㎞ ※正確にはわからないがあまり速くない

 

高校の時はJOGのペースが決められていて、大学では極端に速い・遅いといったようなペースでJOGを行っていました。そして当時大学で各自に任せられるJOGに関して言われたことは、

『JOGの質が落ちる』

という言葉があったことをよく覚えています。

別の言葉では、

『いいJOGをしろ』

という言葉もよくあります。

これは陸上の中・長距離を長く続けていればどこかで必ず耳にする言葉なのではないでしょうか。

速い選手は『JOGの質』が高い、『いいJOG』をしている…

これらはどういう意味なのでしょうか?


速いJOG=いいJOG

当時の私は

『JOGの質が高い』・『いいJOG』=『ペースの速いJOG』

だと思っていました。

毎日JOGをする→JOGの質が高い→人より速く・たくさん走る(負荷を掛けている)→人より速くなる

というようなサイクルです。

 

このように考えていたのは、速い選手は『JOGの質』・『いいJOG』をしているから。という思い込みがあったため。そしてこうした考えに沿って実践していました。


速い選手でも遅いJOGをしていることがあるという矛盾

しかし実際には『JOGの質』・『いいJOG』というのはそんな単純なものではないようです。

オリンピックに出るような選手は自己ベストが1500mで3分30秒前後・5000mで13分10秒前後・10000mで27分30秒前後といったレベルです。

1500mが4分前後・5000mが15分前後の選手が4分00秒/㎞前後のペースで普段のJOGを気持ちよく行っていたら、上記の感覚で行くとオリンピックレベルの選手はJOGを気持ちよく3分30秒前後で常に走っているというように考えられます。

しかし実際にはそうではありません。


JOGペースの違い

結論から言うと、私の経験ですが“気持ちいい”と感じるJOGペースは人それぞれ違います。

それはレベルによって異なるだけでなく、同じ程度の競技レベルでも選手ごとに“心地いいリズム”が違います。

ではどのようにして普段のJOGのペースを決めればいいのでしょうか?

以下にそのポイントを書き出しました。ぜひ参考にしてみてください。

 

JOGの目的を考える ※今回は基本的にJOGが練習のほとんどの時間を占める時の目的を考える

・      フォームを整える

・      基本的な有酸素能力を維持・向上する

・      筋持久力を維持・向上させる

 

次にペースと距離を選択します

・      効果のある最低限必要な時間

・      効果のある快適なペース

 

基本的にペースは最大心拍数の約65%~(心拍数130~/min)のペースとよく言われます。

これは・効果を得るために十分な心拍数である・選手が快適に走れるペースであるといわれるためです。

ここから上の違った能力開発のために必要なトレーニングレベルは

 

マラソンペース 最大心拍数の約78~88%(心拍数156~175前後)

LTペースで約 最大心拍数の約88~90%(心拍数175~180前後)

※数値はダニエルズ/ランニングフォーミュラ参考

※この数値は人によって大きく異なるので、正確に知りたい人はVO2max測定を行うことを推奨します。

(JOGから疾走時間と努力感を区切って段階的に引き上げおおよそのLTレベルを計ることも可能)

JOGペースの最大心拍数130前後からマラソンペースの160前後までは実に30/minもの大きな開きがあります。

この間のレベルでいくら頑張って走っても、精神的肉体的負荷の割に実際の能力開発のための効果というのはあまり得られていません。あまり得られていないどころか、ほとんど変わりません。

 

目的を明確にする

リスクを極力回避しJOGの効果を十分に得るという意味で、

『JOGの質が高い』・『いいJOG』=『ペースの速いJOG』

これは効率的ではありません。

 

『いいJOG』=『効果を十分に得られ、ワークアウトに支障をきたさない、故障リスクの少ないJOG』

『JOGの質』=『フォームを整えることができる快適なJOG』

という狙いでJOGのペースを設定することができます。

 

JOGはその時々で

・      筋持久力を維持・向上させる

・      基礎的有酸素能力を維持・向上させる

・      フォームを安定させる

※    ワークアウト中・後では乳酸を利用する。ウォームアップでは筋温を上げるなどがありますがここでは基本的にJOGが練習のほとんどの時間を占める時の目的を考える。

 

“フォームを安定させること”を目的として『いいJOG』をする時、ペースを速くしようとする選手は多い。

しかし、“フォームを安定させること“を狙ったときにJOGペースを上げるということしか選択肢がない場合あまりにも効率が悪い。さらに疲労をため、別の練習の内容が悪くなるリスクもある。

こうした場合には、JOGの前後にドリルといった技術を意識する練習を適度に行うことによって、ペースを上げなくても『いいJOG』を行うことができる。

もちろん時には、速いペースで長いJOGを行って筋持久力・基礎的有酸素能力に大きな刺激を与えることも必要であるので、そんなときは“いいペースでいいJOGをした”という評価が適している。

ただそこにのみ評価を求めることは、選手の中でまだ本当の『いいJOG』を発見できていない。

さて本日は『JOGの質』というテーマでお送り

しました。

皆さんも自分自身がどのようなJOGをしているのか、一人でじっくり走れる今だから走りながら考えてみてもいいと思います。

ニュージーランドは本日4月27日午後11時59分にて、警戒レベル4が解除され警戒レベル3になります。基本的には大きく生活は変わりませんが、政府から警戒レベル3のルールが明確に発表されているので、明日のブログに重要項目を書こうともいます。

日本向けに翻訳・要約されたデジタル新聞記事で、“学校は再開”・“テイクアウェイの飲食店は再開”と書いてあるものがありました。

しかし実際にはすべて再開はしません。かなり限定的なものです。情報がいろいろなところから発信されていますが、どんな時も本当の情報を精査する必要があるようです。

こちらのブログは個人的なものですが、そういった生活に重要な情報は勘違い・誤解を生まないようにまとめて記したいと思います。

 

さてそれでは今日も、フォームを整える、故障リスクの少ない、ワークアウトに支障をきたさない、十分に効果の得られるJOGをしに行こうと思います。

 

それでは今日もHave a nice day 👍