動きの定着 | 酒井根走遊会のページ
距離走を本格的に始めました。

30km-3分20秒

感覚としては

『リラックスしつつも小気味良いリズム』です。

5000mや10000mを走っている時にペースが落ちて楽に感じる感覚とはまた別です。

30kmのペース走の感覚としては、同じリズムに動きを固定し、全自動で体が動いている感じです。

動きが間延びして、ロスを感じる感覚はありません。

しかし急激にペースを変えられる感覚はありません。

実際に27km過ぎにペースを大きく変えようとしましたが、うまくできませんでした。

タイムで言うと

3分20秒-3分12秒-3分08秒-3分06秒は以前にリズムだけで行った時の上がり方です。

今回はスパートして3分20秒-3分18秒-3分18秒です。力はかなり使いました。

これは動きが固まりすぎたことが原因であると言えます。

手賀沼という環境で、向かい風を感じながら走ることも影響していると考えられます。動きを固定しているので向かい風でもペースは変わりませんが、同じリズムはやはり体力・脚筋力を消耗するようです。レースで言うところの細かいペース変化で足にくる、という状況に似ています。

ペース走や距離走の弊害は

『動きが固まる』

ということです。

その動き、そのリズム、で走り込めば走りこむほどペースを変えることが難しくなります。

走りのタイプにもよると思いますが、私自身は今までの経験から練習のペース感覚に体がすぐに慣れてしまう傾向にあります。

レースで勝つにはペースを変える能力が求められます。

そのためにはどのような練習をすれば良いのでしょうか。

『各ペースの練習を定期的に行う』

ということが固定化を改善・進歩させることのできる方法だと思います。

例えば1500mを楽に運んでいくときと、マラソンを楽に運んでいくときの

ストライド・ピッチ・リズム・呼吸・跳ね具合・接地したときの筋肉への負荷…

感じられることそのほとんどが別物であるといえます。

各種目のペースと距離には、自分の体で最も効率よく力を発揮できるポイントがあります。

それを自由に引き出せること、意識的に使い分けられることが動きを固定化しても自らの意思で変えられる能力につながると思います。

一週間~二週間のなかに1500m~マラソンペースまで様々なレースペースの練習を入れて、絶えず脳と体に刺激を与え続けましょう。

『流し』で動きを作る

ということが広く一般的に行われていますが、私はやはり800m~1600mといったハイペースの練習で

『入りのツッコミ』『中盤の速いペースの安定』『ラストの切り替え』

などを行う必要があると思います。

体が95%くらいの力を使いながら動きを調整する、ということがより実践的な刺激となるからです。
(才能がある人は流しだけで作れるのかもしれませんが、私は作れた経験がありません。)

常に同じペースでは、体は様々なレースペース・感覚・イメージを失い、練習で固まった同じ動きしか引き出せなくなります。

マラソンの練習でもショートインターバルが必要なのはそのためです。

冬季練習でもスピードを入れるべきなのはそのためです。

大学時、ペース走のみでハーフマラソンの自己ベストを記録しました。
当時の先週、先々週の5000m・10000mのレースは15分10秒-30分38秒
そしてハーフマラソン64分50秒。

これは極端な例ですが、体はこのように動きを固定化すると、同じ動きを自動的に繰り返していく能力があります。

タイムを狙う上で、同じリズムをより速く・より長く続けることでの向上は大切なことです。
世界記録はほぼイーブンペースで作られることにも現れているとおりです。

しかし、次のステップ・先のレベルに到達するには同じ動きに固定化されているだけでは進めません。

どんな練習を行う上でも、同じペースで脳と体のリズムが完全に固定化されることなく、ペースと距離に変化を持たせることが、進歩、そして自身の走りの進化に繋がると思います。