足を運ぶ
打点に入る。足を運ぶ。
さあ、足を運ぶぞ。今度も打点に入って(自分の打ちやすい距離に移動する)
しっかり打ってみよう。思えば10数年前、練習に試合にと必死にボールを追
っていた頃、余分な動きもあっただろうけど、よく足を動かして打点に入ろうと
していた。純粋にボールを打つために、出来うる努力を惜しまない。それが最
近どうでしょう。距離も合わせずにショットの結果だけに一喜一憂している。い
や、一喜一憂しているならまだしも、欲が薄くなってきたなどと自分をごまかし
て、関心のないふりを装ったりして・・・。
ヨガのアサナの練習で、右足左足と丁寧に位置を確かめていく。膝のポジシ
ョン、骨盤から胸と背中、肩、頭の先、そして右腕と左腕がどこへ生えていくの
か。まるで100歳の樹木の歩を早送りで再生しているビデオのように。今の自
分を感じながら、全身の動きと呼吸とが一体になる。
そうだ、何も考えずにただひたすらにボールを追うことで、救われた思いでテ
ニスに縋ったのが20年前。誰かが教えてくれた。「テニスはボールが主役だよ」
「だから余分なことは考えなくていいのさ」 そうだった。疲れを恐れたり、成果が
あがらないことを心配したり、何もしないうちから「ほどほど」の哲学に嵌まり込ん
でしまっていた。今あるがままでいいのだから、今できるボールへの距離の調整
をして、堂々としていていいのだろう。目の覚めるような鋭いショットや、流麗なフォ
ームなどの素晴らしい結果は、もうその時点で達成できているあるがままの自分
には、あってもなくてもよいのかもしれない。何処かの誰かが放った会心のショット
に、こころから感動できる準備は整ってしまった・・・!
