1980夏
もうすぐ夏休みが終わる8月の後半、夕焼けに集まる
赤とんぼの景色が、大切な時間の終末を彩る。小学生
の僕であっても、終わり行く季節に哀感を覚える。昨日、
横浜を発った僕ら少年野球のメンバーは、静岡県の朝
霧高原の小学校に来ている。広大な校庭の周りには同
じ色の野山が広がり、ひぐらしとつくつくぼうしが競演し
ている。対戦した現地の子供達はどこか違う国の言葉
を話しているよう。よく聞けばほとんど同じ言語なのに、
テンポがゆったりなため、そう聞こえたようだ。
この小学校には、9月になると何人くらいの子供が通
うのだろう。みんなゆっくり話すのかな。どんな先生が
教えてるのだろう。かわいい女の子はいるだろうか。少
しくすんだレンガ色の校舎を眺めながら、タッタとヒーと
僕がいる。コーチが遠く僕らを呼んでいる。さーて、今日
の夕ご飯はなにかな・・・!
