1989秋
心の問題でしょう、この秋から僕はカウチポテト族の模範衆となりました。
朝、目が覚めてテレビをつけると、笑っていいとものテレフォンショッキング。
暫くすると小堺さんの番組があり、ちょっと陰鬱なノリのドラマがはじまる。
この辺りまでくるとどんなに前向きな番組であっても、未来に希望なんて
もてる訳がない。ましてや身の回りをあらゆる制限で取り囲まれた主人公
の女性が、これまた柵と柵の合間であくせくする男性と恋に落ちる、なんて
ドラマを毎日欠かさず観てしまっている。
何だかお腹がすいたなー、5分歩くとセブンイレブンがある。1分程手前に
あるスーパーより割高なポカリとポテトチップス。散々考えた末にシューク
リームはやめておいた。きっと30円以上違うことは自明で時にスーパーを
利用する日もあるが、お肉や魚の臭いとAMラジオ的BGMにやられてしまい、
次の日はまたコンビニに向かっている。買わない洋服と買わない車、鼻持ち
ならない処世術の本をチェックして公園を歩いて家路につく。
ドブ川のほとりで木の葉が紅く色付いていた。もうすぐ11月、19才の秋は
静かにゆっくりと深まっていく。

