こんにちは。
年末の投稿では、着床前スクリーニングで私たち大新も用いている、
NGS法というものを紹介させていただきました。
NGS法では、染色体のDNAをまず細かい断片にします。
その断片を次世代シーケンサーというものを用いて、
一気に読み込んで、染色体の数が正常かどうかを判定しています。
今回はもう少し詳しく、NGS法の流れを見ていきたいと思います。
(1) 胚盤胞から細胞を採取
まず、胚盤胞から、将来胎盤になる部分の細胞のうちの数個を採取します。
詳しくは以前の投稿をご覧ください。
「胚盤胞から細胞を採取する ~着床前スクリーニング(PGS)~」
(2) 採取した細胞からDNAを抽出
(3) 増幅処理
採取できる細胞数は限られているため、
WGAという方法で、その貴重で限られたDNAを何万倍にも増幅させます。
(4) DNA断片を読み取り、分析
増幅されたDNAの断片を一気に読み取ります。
そしてコンピューターに取り込んで、
各染色体のDNA量が正常か、分析をしていきます。
正常なDNA断片の割合と比較して、
多いか少ないかを見ることで、染色体数を判定していきます。
異常な数値が出てくる際には、何番目の染色体の
どの場所の配列が異常であるのかも特定していくのです。
例えば、21番染色体のDNA量は細胞内の核DNA量の1.9%です。
数値化された21番染色体の断片数が、全体の1.9%であれば21番染色体は正常と言えます。
これがもし1.5倍の2.85%となる場合には、この受精卵は21番染色体が3本ある、
トリソミー21(ダウン症候群)ということが特定されます。
このように、染色体数の異常を確認するために、
DNA量からさかのぼり特定をしていく技術となっています。
NGS法は精度が高いことなどにより、世界中で普及し、
最も広く使われている着床前スクリーニングの方法となっています。
26日、27日の説明会では着床前スクリーニングについても
詳しくご説明しますので、ご興味ある方はお越しください。
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来年1月に卵子提供 着床前スクリーニング説明会を開催します・・・1/26 東京、1/27 名古屋