こんにちは。
前回は着床前スクリーニング(PGS)での
染色体数の異常を調べる方法のひとつ、CGHアレイ法をご説明しました。
「CGHアレイ法で染色体数を調べる ~着床前スクリーニング(PGS)~」
今回は、最新の分析機器を用いた、
NGS法というものをお伝えしていきたいと思います。
私たち大新生殖中心も、着床前スクリーニングにはこのNGS法を用いています。
この最新の分析機器は次世代シーケンサーと呼ばれていまして、
N: Next(次の)
G: Generation(世代の)
S: Sequencer(シーケンサー)
の頭文字をとって、NGS法という名前がつけられています。
NGS法を進める前に、DNAと染色体を整理しておきたいと思います。
そもそもDNAとは
DNAを構成するものに、さらに小さい単位で
塩基(えんき)というものがあります。
アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)という、
4種類の塩基というものがあります。
この塩基がペアになり、DNAを構成しています。
非常に長いものもあれば、短いものもあり、全てDNAとなります。
この塩基配列を読むと、DNAにどのような情報が書かれているか
知ることができるのです。
染色体とは
このDNAがタンパク質に絡みついて、プロセスを経て
凝集したものが染色体となります。
そのため、染色体はDNAとタンパク質から成るものだということがわかります。
次世代シーケンサー
次世代シーケンサーは、細胞にある全ての染色体にあるDNAを、
まず細かい断片にし、それらを一気に読み取ることができる機械です。
そのため、これまでとは比べられないほどに
膨大な情報を同時に処理ができるようになりました。
次世代シーケンサーは、着床前スクリーニングだけでなく、
生物の研究にさまざまな場面で使用されています。
すべてのDNAを読み込んで人の遺伝情報を把握することもできれば、
ところどころピックアップして、染色体の数が違っていないかを
確認することもできるのです。
使い方を特定していくことで、比較的安く胚盤胞の染色体数の確認に
応用することができるのです。
今回は、NGS法について概要をお伝えしました。
次回はもう少し踏み込んで、NGS法で染色体数の異常を確認する方法を
お話ししていきたいと思います。
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