※ご注意※

この記事は前回の記事の続きです。

初っ端からネタバレ、映画感想&阿呆なだしまきの考察がつらつらと書かれておりますので、ご注意ください。

モノノ怪という作品が大好きなのは紛れもない事実ですが、雑すぎる内容故、不快に思う方もいらっしゃるかもしれません。「なんでも来いやー!」という方のみ、お読みください。






坂下が七つ口で門番としての仕事をこなしつつ、薬売りと談笑(?)しつつ、アサとカメを心配している頃。


先輩女中の麦谷がカメとアサを連れて大奥内の事やお仕事の説明しております。

あのね、それにしてもちょっと、とんでもねぇ仕事量。


説明をしっかり聞いてメモを取って理解しているアサちゃんに対して、カメちゃんはメモも取らずに「えぇ〜…」「うへぇ…」と呟くばかり。

この辺りでもうすでに、アサは優秀、カメはポンコツ、という圧倒的な差別化がされてきていて、普段からポンコツな私はカメちゃんに感情移入しちゃったよね。



先輩女中

麦谷→御次という役職。カメとアサに色々教える先輩。空気が読めず仕事もアサに頼りきりのカメに対してよく思っていない様子


淡島→表使という、中間管理職的な立ち位置。麦谷よりも先輩。優秀なアサに対して劣等感を抱いている


歌山→御年寄。大奥のボス的な役職。アサの器量の良さを見込んで重用する。モノノ怪の話をすんなり受け入れて薬売りに事件解決を頼む。作中、表情より〝手〟のアップが多かった



新人女中の二人はお互いの事を好意的に思っているっぽくて、カメの仕事をアサがカバーするシーンが目立ち、カメもアサを支えたいという意思が表れている。


カメがアサの手に触れた際にはアサが頬を染めたりする事もあったのだけど、やはり大奥は女性しか居ない特殊な場所故に、女性同士での特殊な感情が芽生えやすい環境なのな…考えすぎ?


カメはとにかく苦手な事が多くて、朝食の用意もできない、乾かしておいてと言われていた謎のおっきなお魚も乾いていない…

……おっきなお魚is何?飾り?

大奥の中を歩き回って入ってはいけない場所をこっそり覗いてみたりもしてた。

カメちゃん、それは流石に自由すぎるよ。多分、この作品を観ている人の中には、カメに対して苛立ちを感じた人も居たのではなかろうか。

一方でアサは、任された仕事をきっちりこなして、カメの仕事もこなして、カメが出来ていない仕事を指摘されると代わりに謝る。


この映画のタイトルでもあり、今回薬売りが祓うであろうモノノ怪「唐傘」。

唐傘は、襲った者の身体を〝雨〟に変えるらしい。


あ、案の定ですが薬売りさんは最初にモノノ怪が出た時点で大奥に押し入りました。

アクロバティックだった。めっちゃ走ってた。テレビシリーズより動くじゃん。やっぱ別人なのね。



最初の犠牲者は麦谷。カメの奔放な行動に堪忍袋の尾が切れて、理性を失ったようにカメに暴力を働いた事により、唐傘に襲われた。

麦谷がカメに向かってすっごい文句言ってるシーンがあったのだけど、今まで麦谷に感じられなかったゆかなさん節が出てたのがかなり良かった。

カメの声優さん、ゆかなさんでも良いのでは?と思っていたのだけど、テレビシリーズではカヨちゃんを演じていらっしゃったので、監督が差別化を図ったのかな?とも思いました。知らんけど。


モノノ怪が大奥内に出た時点で、普通は祭り事とか中止するじゃないですか。

歌山氏、なんの躊躇いもなく大餅曳は予定通り執り行うゆーて。

えー…人死出てるのに。

思えば、三郎丸達が歌山に大餅曳の予定が延期になった理由を問い詰めた時も、なんやかんや言って話題逸らしてたし、手形も持たない薬売りが大奥に押し入ったり、モノノ怪だなんてけったいな事言い出したのにあっさり受け入れて事件解決を求める。

大奥で起こった事は大奥内で解決したいという気持ち、大奥の調和というか秩序を乱したくないという想いが読み取れた。

歌山にとって大奥は、余程大切な場所なのか。


武士二人と薬売りさんと、各々聞き込みした結果、どうやら本来、大餅曳が行われる予定だった二ヶ月前にあった〝色々〟っていうのが、後右筆という役職についていた北川という女中の失踪(死)だったらしい。


北川→元御右筆。大餅曳が行われる予定だった二ヶ月前に、突然実家に帰った。(本当は例の井戸に身投げしてしまい、隠蔽された)


でもアサちゃん、昇進して個室を貰ってから北川(の幽霊?)とお話ししてるの。

アサの貰った個室は、昔北川が使っていた部屋だったそうで、戸棚の中にはお人形が残っていた。そのお人形は本来なら傘をさしているであろう手の形や立ち姿なのだけど、傘は持っていなかった。

気になったのは、アサが見つける前から、ちょいちょいそのお人形が絵の端々に映り込んでいた事。

人形、動いてんね。


アサと北川が話をする中で

「お水は美味しい?」「渇かないでね。私は渇いてしまった」

北川の、この二つの台詞が特に印象的だった。


唐傘は多分、このお人形の持っていた傘に、北川の情念が宿ったモノノ怪…の筈。

「お水は美味しい?」→あんなに不味い水を美味しいと思う日が来るという事?

「渇かないでね。私は渇いてしまった」→渇かないでね。というのは、北川はアサをモノノ怪から守ろうとしている?渇いてしまった結果身投げした北川の情念が、モノノ怪になった?

(北川が女中だった時にカメのような同期が居り、疎ましく思ったので暇を出したと語っていた。暇を出した同期が、本当は大事な物で、手放してしまったから渇いた?)


喉が渇くとカルキが抜けてないそこらの水道水でも美味しく感じるよねー。ということで、だからあんなに不味い筈の御水様のお水が美味しいと感じる?

〝渇く〟ってなんだろ?大奥に来たら大事なモノは捨てないといけない。

大奥の暮らしに順応すると、大事なモノを大事だという認識ができなくなって捨ててしまう?それとも捨てざるを得なくなってく…?大事なモノを失った結果〝渇く〟?


渇くといっても、御水様の水を何も思わず(?)普通に飲んでいる他の女中はまだ完全に渇いてないからモノノ怪に取り殺されずに済んでいるのかな。

完全に渇いてしまった者は唐傘に襲われて雨にされる。

(水となって渇きを潤すと言う事?それとも御水様の一部になる?)


麦谷が唐傘に襲われて数日後、今度は淡島が襲われる。麦谷の時と同様、カメの行動が発端となり、淡島がキレ散らかした結果、唐傘の餌食に。

人が人である為に大切な理性すらも失って完全に渇き切ってしまったが故に、麦谷も淡島も、唐傘に襲われた?


アサとカメは、大事なモノを捨てなかったので唐傘に襲われずに済んだ。

(アサは最初、「捨てるものなどありません」と言っていた。文字の綺麗さや器量の良さというのは、身についてしまった捨てる事の出来ないものだし、カメは後半吹っ切れた様子で、そもそも大奥に順応しようとしていなかった。自分は大奥の暮らしに向いていない、アサを応援しようという気持ちが行動に現れていたし、飲まなければいけない筈の御水様の水を捨てていた)


大体、御水様って誰、何?火の気が嫌いという事は分かった。

大奥で崇められてる偶像的な物なのかちょっと不明だけど、男子禁制の大奥で天子様以外にもう一人、謎の金髪が井戸の側で煙管吸ってて

「御水様は火の気を嫌います」

つって注意されてた。貴方は誰や?

御水様の水を各女中に歌いながら配っていた双子(?)の父親っぽい?





次回

唐傘、ハイパーさんに斬られる

物販でお迎えした物のお写真




という事で、次が最後の記事になりそうです。

一個の記事に纏められる文才が欲しい。




だしまき