<イラン>対米緊張緩和へ接点探る IAEA受け入れも | dashdashbackのブログ

dashdashbackのブログ

ブログの説明を入力します。

 【テヘラン鵜塚健】原油輸送の世界的要衝であるホルムズ海峡を巡り、米・イランの緊張が高まる中、イラン外務省は14日、国際原子力機関(IAEA)の査察団を今月中にも受け入れる方針を示した。国内事情から対外強硬姿勢を崩せないイランは、海峡封鎖をちらつかせる瀬戸際作戦を続けつつ、米欧諸国に一定の譲歩を見せ、接点を探り始めた。

 イラン国営通信によると、メフマンパラスト外務省報道官は「査察団が月内にも核関連施設を訪れる」としたが、査察対象や協力の程度などは不明。一方で「核の平和利用の権利を手放すことはない」とし、大きな転換はないことも強調した。

 昨年12月末にイラン政府高官が、米欧諸国の原油禁輸制裁が発動された際の「ホルムズ海峡封鎖」に言及。米CNNテレビによると今月6日には、ホルムズ海峡周辺で米艦船にイランの小型高速艇が急接近する「挑発行為」が2件発生。米紙ニューヨーク・タイムズによると、米政府は「秘密ルート」を通じ、イランの最高指導者ハメネイ師に海峡封鎖をしないよう警告した。

 査察団受け入れ表明の裏には、米国との本格的な衝突を望まないイランの本音が透けて見える。オバマ米政権は今年11月に大統領選を控え、強い影響力を持つユダヤ系への配慮から対イラン強硬姿勢を強めざるをえない状況だが、イランにも同様の国内事情がある。

 3月2日の国会議員選挙に向け、政権内の大統領派と反大統領派による権力争いが過熱。双方とも対外的な強硬姿勢を貫くことで、制裁で疲弊する国民の不満を国外にそらす狙いだ。これが、対米関係で弱腰は見せられない動機となっている。

 今月11日にはテヘランで核科学者が爆殺される事件があり、ハメネイ師は米・イスラエルの関与を指摘し「犯人に裁きを下す」と断言。2月にはホルムズ海峡で再び軍事演習を実施する予定で、表向きの強硬姿勢は崩していない。

 こうした状況の中での査察団受け入れという“小出しの譲歩”の発表は、昨年1月に中断したままの米欧諸国との核問題交渉の再開につなげ、制裁を回避したい思惑がある。

 ◇アラブ諸国を巻き込み綱引き

 米国とイランの対立は、双方によるアラブ諸国を通じた駆け引きを招き、地域の新たな緊張も生んでいる。

 近くイラン産原油の禁輸制裁に乗り出す構えの米国や欧州連合(EU)は、制裁の影響軽減のため、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などアラブ諸国にイラン原油の代替となる原油増産を要請した。

 外貨収入の8割を原油輸出が占めるイランは、制裁で原油輸出が減り、さらに各国の増産で原油価格が低下するのを強く懸念している。15日の地元紙シャルグによると、イランのハティビ石油輸出国機構(OPEC)理事はアラブ諸国に対し「彼ら(米欧諸国)に協力して増産すれば、共犯者とみなす」と強い口調で警告した。

 一方、ホルムズ海峡の緊張が続けば、原油の高値につながり、イラン財政を利することになる。親米国UAEは9日、海峡を迂回(うかい)する建設中のパイプラインについて「半年以内の稼働」を発表。海峡封鎖のリスク軽減を図るUAEの背景には、米国の意向をくんでイランをけん制する意味もあるようだ。