2023年度札幌丘珠空港利用分析(その1)
札幌丘珠空港概要
正式名称 札幌飛行場(RKCO-OKD)供用飛行場
通称名 丘珠空港・丘珠飛行場・札幌丘珠空港
所在地 札幌市東区丘珠町
設置管理者 防衛大臣(防衛省陸上自衛隊丘珠駐屯地)
駐機スポット数 28(うち旅客機乗降可能5)
施設使用社 陸上自衛隊、北海道警察、北海道、北海道開発局
北海道エアシステムその他航空会社など
一般駐車場 367台 タイムズ24
バス 北都交通空港連絡バス 北海道中央バス(一版路線バス)
2023年度(2023年4月~2024年3月)定期旅客就航会社と路線
HAC/北海道エアシステム(全てJAL便運航)
函館6往復、釧路4往復、利尻1往復、女満別2往復
奥尻1往復、三沢1往復
根室中標津2往復 2023年10月29日より就航
秋田2往復 2023年10月29日より就航
※曜日等によって運航便数が変化する路線があります。
FDA/フジドリームエアラインズ(JALコードシェア)
松本1往復 静岡1往復
2023年3月26日~10月28日夏ダイヤ毎日運航
名古屋小牧(県営名古屋)2往復
2023年3月26日~10月28日夏ダイヤ毎日運航
2023年10月29日~11月12日冬ダイヤ毎日(期間延長)運航
TOK/トキエア(コードシェアなし)
新潟2往復
2024年1月31日就航
火・木を除く毎日運航
2023年度統計範囲:2024年1月31日~3月31日
2023年度(2023年4月~2024年3月)
札幌丘珠空港利用(乗降)者月別実績
2023年度総計
札幌丘珠空港ビル株式会社発表 439,127人
国土交通省東京航空局発表 438,612人
乖離(乖離率) 515人(0.01%)
2023年度札幌丘珠空港路線別利用実績
利用者総数 439,127人 100%
HAC利用者 326,049人 約74.2% HAC利用者約41.9%が函館線
FDA利用者 107,285 人 約24.4% FDA利用者約52.2%が名古屋小牧線
TOK利用者 5,422人 約 1.2% ※2023年1月末より就航
チャーター便 371人 約 0.8%
FDA運航期間
静岡・松本線 2023年3月26日~10月28日
名古屋小牧線 2023年3月26日~11月12日
2023年度概況
新型コロナウイルスの影響により2020年度には162,337人まで減少したが
2022年度にCOVID-19直前を上回り32,0826人に達し2023年度では
FDA名古屋小牧(県営名古屋)線就航初年度で56,307人に達し
HAC函館、釧路線についで利用者数3位となり
札幌丘珠空港ビル統計上初の439,127人に達しました。
これは各種旅行支援制度その他アフターコロナによる反動需要増である
一方でHACの場合函館線と釧路線はビジネス需要回復による効果が強いと考えられます。
各航空会社の取り組み
HAC(JAL)
2022年度と2023年度は数値グラフが示している通り回復基調以上の好調ぶりの
要因は大幅な減便期間中にHAC独自のPRイベント開催やJALグループで
弾力性のある運賃幅と判りやすい各種運賃制度、メニュー等見直し改善があり
昨年は特に区間路線別の最安値をすぐ調べることが出来るように改善されたほか
スカイメイト運賃や当日シニア割引のほか期間限定JAL全路線タイムセール等では
LCC並みのバーゲン運賃も利用増加に一役買った形になりました。
一部ビジネス層でJALコードシェアFDA運航とHAC(JAL便)運航乗り継ぎ需要も
ビジネス需要や家族友人訪問目的の非観光目的でも回復をみせたほか
利尻や沖尻等離島観光の足としてのFDAHAC乗継ぎも僅かにあった事から
今年は2月からHAC独自で札幌丘珠空港と道内・北東北の各地域を結ぶ8路線
「札幌ダイレクト便」と称しプロモーション展開を開始し
HAC便32万人~34万人幅で推移するか夏から秋にかけてFDAとTOKの乗継需要で
ボリュームが増えると仮定した場合今年度はHAC35万人を上回る利用者数を見込んでも
良いかもしれません。
FDA
松本・静岡線の他に新たに名古屋小牧(県営名古屋空港)線が
2往復4便就航し初年度5.6万人利用実績を積むなど好調でした。
現在の所未発表ですが今年も利用好調であれば冬ダイヤ期間に入っても
降雪時期ギリギリの11月上旬まで運航されるかもしれません。
静岡線は就航初年度から数年は観光需要が多い路線でしたが松本線の長野県を含め
2県内企業と道内企業の出張で通年運航されていてる新千歳線の推移状況を見ると
新千歳札幌丘珠マルチエアポートを工夫すると伸びしろがある路線と言えます。
TOK
トキエア就航が幾度も延期されていたものの2024年1月31日に就航開始しましたが
TOK自体の周知不足と大手旅行会社を通さない自社ウェブサイトチケット予約販売で
クレジット決済のみ、遅れてエアトリでの予約販売も開始たもののANAウイングスと
J-AIR(JAL)新千歳空港新潟線同様季節需要が低い時期に就航開始し2023年度統計末日
(2024年3月31日)まで期間が短い事もあって統計上取り扱うには不適当と判断し
甲乙評価しないものの3月は3,690人利用率80.1%ありました。
2024年度(2024年4月~)は5月連休期間中にほぼ予約満席の便があった
点や5月連休以降~8月下旬まで需要が見込める期間内に旅行会社でのチケット予約販売
コンビニ決済など他のLCCや大手航空会社と同じ水準まで持っていければ
年間利用率では厳しいものの繁忙多客期に月間70~80%はクリア出来る
可能性は十分にあります。
2024年5月15日
2023年度札幌丘珠空港利用分析(その2)2025~2030年度短期予測