津市の風早の里、ドウダンツツジが咲いています。今日は、梅を撮りに来ました。
枝振りが面白い形をした紅梅。蝋梅の次に早咲きするのですが、今年は3月の初めに満開になりました。
あんなに寒かった冬は嘘のように姫オドリコソウが咲いています。群落を作るほどですからもう春です。
紅梅を接写しているとやはり春の兆しはこの色だと思いました。蝋梅は1月なので梅の開花と言ってもやはり真冬。紅梅が咲く時期は、ちょっと春めいた日も来ますから、少し春の到来を期待します。
左は参宮路、右は久居路。左に行けば伊勢神宮へ。中世の流行歌を集めた梁塵秘抄には
熊野へ参るとて、紀路、伊勢路、どれ近し、どれ遠し
広大慈悲の路ならば どちらの路も 遠からじ
熊野に詣でようとするが、紀伊を通る路と伊勢を通る路とどちらが遠くて近いだろうか。神仏の広くて大きい憐れみの路だから、どちらも遠くはないだろう。
ところで慈悲の慈とはよいことが人々に巡ってくるようにすること、悲とは災いからのがれるようにすることです。仏の憐れみとはこの慈と悲からできています。それが広大なのですから、どのルートを通っても遠くはないのでしょう。
この伊勢路ルートを通って熊野灘を南下すると熊野に到着します。速玉大社・那智大社・本宮大社にこの三叉路は繋がっていました。梅の季節にここを通れば、こんな景色だったのでしょう。速玉大社は未来を救済する弥勒菩薩、那智大社は現在を救済する観音菩薩、本宮大社は過去を救済する釈迦如来に比定されています。熊野三山をめぐれば、過去も現在も未来も救われる。これが修験の世界です。
さて、梅は満開を過ぎて、花のリレーはヒカンザクラに引き継がれました。ここは北海道の名付け親松浦武四郎の生地です。笠松町にあるヒカンザクラが満開を迎えました。
もう満開の満開。今年は花の付き方が豊かで本当に綺麗です。しかも今日は20℃を超える温かさ。春爛漫です。
空を見上げると一羽のトンビが空を回っています。お目当ては観光客のおにぎりか? 自分は一度トンビにおにぎりをせしめられたことがあります。一度ねらったら絶対に諦めません。残念ながら誰も食べ物らしき物は持っていないので諦めて海の方に飛んで行きました。
運河に船が繋いであるのはわざとらしいかも。観光協会の配慮なのか。
定番の風景。ここを撮らないと笠松町のヒカンザクラ並木に来たことになりません。
それにしても好きですね。だれもが花を求めてここにやって来ます。ここに来ると冬が終わり、確かに春が来たのだと。人々はそれを確かめに来るかのように集まってきます。
どこまでも青い空。日差しは春。紫外線も強くなってきました。半日で顔が日焼けに。花のリレーはこれから春谷寺のエゾヒカンザクラに。そして、宮川堤のソメヨシノに。来月を過ぎれば吉野山は山桜が満開になります。蔵王堂では花供懺法会が開かれ、修験道の修行の季節になります。花のリレーは桜へと。
紀伊半島では桜のリレーが松阪市笠松町のヒカンザクラからスタートします。バトンは3月下旬に伊勢市の宮川堤のソメヨシノに引き継がれます。4月に入ると吉野山の山桜に。中旬には三多気の桜に。そして、4月下旬には日本百名山の山上ヶ岳で終わります。丸二ヶ月の間、桜を愛でることができます。山上ヶ岳の戸開式の日、山頂で山桜が咲いていました。この日は秘密の役行者様を拝むことができます。
花のリレーは梅から桜へ、そして、サツキ、ツツジと続きます。何と言っても大台ヶ原のシャクナゲは新緑の中に深紅の花が咲き誇ります。7月には大峰山に純白のオオヤマレンゲが。紀伊半島の花のリレーはとめどなく続いていきます。