立梅用水に咲いている白梅の巨木、寒かった長い冬を越して満開に咲いています。今年は強風にかかわらず花持ちがいいようです。太陽が西に傾いて急な北斜面を照らし出しました。その瞬間は、今が満開だと言うかのように誇らしく咲いています。
木の下に寄れば、青空と白梅はよく似合います。やはり青空でないと花は見栄えがしません。
花枝の中で動く物がいます。目白でした。目白は蜜を求めて花から花へと渡り歩いているのです。自分が下でカメラを構えていることなんかしらないのか。せっせとお腹いっぱいになるまで春を楽しんでいるかのよう。
根元を見るとやはり年を重ねた巨木です。そこからふんわり花をつけています。この老樹、十数本の梅の花が密集して生えだして、まるで1つの樹のように咲いているのです。もう幾年を経たのでしょう。
川には一羽の白鷺が小魚をねらっています。ここを諦めて別の所に飛んで行きました。遠くから見ると川幅が広がったところで大きな鯉をゲットしていました。櫛田川にはかって鮎がいっぱい住んでいました。ウナギもわんさか。もちろん天然ウナギです。年が経てダムができて、人々が水洗トイレの汚水を流すようになって清流に住む魚は姿を消しました。今は、鯉や亀がいるだけ。釣りをして魚を食べるような水質ではありません。繁殖した鯉は、白鷺などの格好の餌場になりました。
私たちの生活は清潔で健康的なものになりましたが、それは自然を汚していくものなのだと。私たちの生活が清潔になればなるほど、自然は汚染されていくという矛盾があります。もちろん環境基準は満たされていても、川の富栄養化は進んで、砂原だった河原は森になりつつあります。本流に注ぐ谷川は富栄養化された水でクレソンや水菜が生き生きと育っています。それはまるで水耕栽培のような様相です。