どこへ行くのか日本列島 東日本大震災を引き起こした原因から今後の地震を考える | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 日本列島は北米・太平洋・ユーラシア・フィリピンの四つのプレートのせめぎ合いからできました。今でこそ伊豆半島ですが、これは大きな島が南東の海からやって来て熱海の辺りにくっついたものです。

 

 国土地理院は電子基準点を20kmおきに1300カ所置いています。ここで地殻がどう動くかを観測しています。1997年から観測をしていますが、日本列島全体は北西方向に移動しています。ところが、上の地図では東北地方が東にずれ始めました。これは2011年3月11日にマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震が起きたためです。ここ8年間ほどで6m近く東に移動しました。

 

 注目して欲しいのはフォッサマグナがある所が西移動と東移動の境目になっていることです。このような地殻変動のひずみが溜まればいつかは地震につながります。近年草津白根山が爆発しました。箱根では火山活動がより活発になっています。地震と噴火は別問題ととらえる専門家もいますがこの動きは注視していく必要があるでしょう。マグマは水や火山性ガスが混ざったサイダーのような物です。サイダーを激しく振れば気化して爆発するのは素人でも分かることです。

 

 これは中央構造線ですが、関東では利根川が、紀伊半島では櫛田川と紀ノ川、四国では吉野川が中央構造線上にあります。特に三重県と奈良県境にある高見山から以西は今でも年間5mmほど地殻が動いています。300万年以前讃岐山脈はありませんでした。そのため古吉野川が香川平野に流れ瀬戸内海に注いでいました。つまり古い吉野川は南北に流れていました。ところが、中央構造線が動き始めると讃岐山脈ができて吉野川は25kmもずれて東西に流れ今では紀伊水道に流れています。香川県をうどん県にしたのは中央構造線が讃岐山脈を作って香川平野に雨を降らせなくしたからです。

 

 さらに西を見ると九州も内帯と外帯に別れています。これは九州が二つの島が合体できたことを表しています。白の部分は阿蘇カルデラがあります。阿蘇山は少なくとも4回大噴火を起こしています。阿蘇カルデラの稜線を延長していくと3000m級の火山だったことが分かります。なぜここに火山が多いのかがこれで見て取れます。熊本地震は活断層が動いたからだと言われていますが、多くの活断層は中央構造線の延長上に分布します。

 

 中央構造線とパワースポット。なぜ日本有数のパワースポットが中央構造線上にあるのでしょうか。実はこの地図にはありませんが、最も東には鹿島神宮から始まります。衛星画像から見ても渥美半島や和泉山脈、讃岐山脈、石鎚山、佐多岬半島から九州まで一筋の大地溝帯が宇宙から見えています。このパワースポットですが、もっと細かく調べていくととんでもないほど中央構造線上に点在することが分かります。もともと神社仏閣はそれだけ多いのかも知れませんが、霊験あらたかな場所と中央構造線はぴったり当てはまります。古代の人たちは地殻にとてつもない大きな力が掛かっていることを第六感のようなもので感じていたのでしよう。そして、それを畏れ多い物として祭ったのかも知れません。

 

 プレート運動は半島や川を作ってくれ、私たちに自然の恵みをもたらします。もっと巨視的に見ればプレート運動がなければ日本列島はできなかったわけで、私たちはその上で暮らしています。しかし、その動きは地震や噴火ももたらします。だからそれを鎮めるためにも神を祭ったのでしょう。

 

 今年の元日に起こった能登半島地震は4000年に一度起こる規模だと言われいます。このような巨大地震が能登半島を形作りました。しかし、4000年目に遭遇した被災者の方々のご苦労はいかばかりかと推察します。

 

 ここで注目したいのは、震源域が能登半島から佐渡島や新潟県の海岸へと広がっていることです。活断層が動くと隣の活断層が動くことがある。これも専門家は否定する人もいますが、最近かの震源式の広がりは気になります。

 

 江戸時代の宝永4年には東海道沖から南海道沖に掛けて巨大地震が起こりました。記録に残る地震では最大級の物です。東海地震・東南海地震・南海地震と南海トラフの全域で連動して起こりました。しかも49日後には富士山が噴火します。この宝栄地震、宝永噴火は日本列島に山体崩壊を起こし、数え切れない犠牲者を出しました。四国の南岸では石碑が建てられ標高61m以下の所に家を建てるなと伝えています。

 

 今、気になるのは千葉県沖のスロースリップという現象です。東日本大震災が起こる前にこのスロースリップが起きていました。これは伊勢湾沖でも起きたことがあります。もう一つ気になるのが和泉山脈で起きている群発地震です。これは中央構造線上にあります。

 

 神戸市にある震災未来センターで阪神大震災当日の揺れを体験することができます。体験して思ったことは、何もできないと言うことです。これは助からないと思いました。何もできない、助からないなら何をすればいいのか。それは人間の知恵だと思います。ここで釜石の奇跡を起こした片田敏孝先生の言葉があります。

 

 想定外を生き抜く力 天災は人間の想像力を越える。安全なところはどこにもない。津波ならできる限り高いところに逃げる。想定外を想像できる力を備える。

 

 最善を尽くせ。できる限りのことをやれ。津波なら1メートルでも高いところに逃げる。最善を尽くすしたかない。

 

 率先的避難者であれ。自分が生きていれば人を助けることができる。とにかく逃げること。自分が助かれば、家族も助かっている可能性がある。自分が逃げれば他の人も逃げる。それが犠牲者を少なくする。

 

 13年前の今日、東日本大震災が起こりました。この日に私たちは何をすべきでしょうか。やることはいっぱいあるのですが、心を静めて祈ることです。心を寄せること。そして、かの日のために備える。自分が住んでいる地域は東南海地震が起こります。松阪市には最大17メートルの津波が来ます。松阪駅よりも低い地域は水没します。そのとき、どう行動するのか、備えるのか。自分なりのやるべきことを考えたいと思います。