井上靖の小説「しろばんば」 どんどん焼きとはどんな行事? | バイカルアザラシのnicoチャンネル

バイカルアザラシのnicoチャンネル

 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 井上靖の小説「しろばんば」にどんどん焼きの行事が出てきます。本文ではこんな描写があります。

 

 十四日は〝どんどん焼き〟の日であった。どんどん焼きは昔から子供たちの受け持つ正月の仕事になっていたので、この朝は洪作と幸夫が下級生たちを指揮した。子供たちは手分けして旧道に沿っている家々を廻り、そこのお飾りを集めた。

 

 井上靖は幼少期に伊豆の土蔵に暮らしていたことがありました。この作品は長編小説ですが、彼が暮らした私小説的な実体験の描写も見られます。さて、櫛田川中流域では1月の第2日曜日にどんど火が焚かれます。大きな物では高さが8mあります。

 

 

 この画像はわずか3分ほどの動画から切りだした物です。今年は雨が降らなかったので笹がしっかり乾いていて爆発的に燃え尽きました。堤防から撮影していたのですが、笹の葉が火のことなってこちらの方に飛んできて、服が燃えてきました。迫力ある画像を撮ろうと大着をしたのが災い。幸い少し服を焼いただけで済みました。

 

 火が竹に燃え移ると竹の節に籠もっていた空気が膨張して爆発します。大砲のような爆発音がしてそれが香肌峡の渓谷にこだまして、「ドカーン、シュー、パカーン、シュー」と爆音となります。これが終わると櫛田川中流域の正月が明けます。