こんな夜は気まぐれに望遠鏡を積んでお気に入りの車で伊勢湾岸道を走るといい。海に架かった斜張橋にさしかかると橋の下はコンビナートの光や街の灯りで着陸前の空港のよう。ジェット機の操縦席に座っている感覚になる。ほどなくハイウェイオアシスで仮眠を取る。レストランもあるし水族館もある。観覧車もあればスーパー銭湯も。至れり尽くせり。朝ご飯を食べたら茶臼山に向かう。茶臼山の秋は早い。遠くに南アルプスが見える。冬になったらスキーがしたい。
長野県に入ってお目当てなのは摘み草食堂。売木村にある道の駅。食堂の名前のように野草の天ぷらを求めて。今日のメニューは、もみじ、ウドの葉、あかつめ草、コスモスの花、いたどり、イヌビエ。こんなの食べられるって知らなかった。
信州だから敬意を表してお蕎麦を注文した。信州で食べるお蕎麦はどれも本物。当たり外れはなし。
夜になるのを待つ。紅葉はまだ。
長野の川はどれも急流。その一瞬を撮る。4000分の1秒の世界。激しい波しぶきも止まってる。
泊まったお宿は塩吹館。今は遊星館って名前が変わった。左に大きな煙突がある。このボイラーで杉や檜の薪を焚いてる。鼻につくような香りがする。煙くはない。露天風呂にこれでもかとお湯を掛け流している。お湯に浸かると疲れが吹っ飛んでしまう。
ここから阿智村に行って星空を撮る。日本一星空の美しい村。望遠鏡で覗く空は空気も澄んで最高の画像が撮れるに違いない。と思いきや美味しい物がいっぱい夕食に出た。信州牛に信州サーモン、信州蕎麦。また、お風呂に入る。のんびりしたくなった。星空散歩の計画はどこかに行ってしまい、徹夜で運転した疲れがどどっと出て、そのまま朝を迎えた。お馬鹿さんです。
十月の下旬、売木村はまだ米の収穫が終わってない。はざ掛けの稲が干してある。こんなに寒いから寒暖の差が大きくて甘いお米になるのだろう。
美しい物は何で残すのがいいか考えてみた。水彩画もいいし、カメラもいいし、言葉でも・・・。星空を撮るという目的は見事失敗。気ままに行き当たりばったりでどこか行きたい。これで一回旅に出たことにしておこう。夜も更けてお腹空いてきたから、もう寝るしかない。眠い。
と言ってもこれは3年前の今日、ブログにアップした内容。奥能登もいいけど、秋の長野県はもう寒いかも。美味しい物をいっぱい食べたいし、綺麗な景色や光害のない漆黒の闇に輝く星々を見ていたい。何よりも、檜の薪で焚く露天風呂は最高。また、行ってみたいな。