黒潮躍る熊野灘 今日はそれにふさわしい光景です | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 今日は三重県の最南端七里御浜にやって来ました。海が空に膨張しているように見えますが、実際に現地に行くとこのように見えます。

 

 今日は海の色が違います。沖はいつものように紺碧なのですが、沿岸は笹の葉のように少し濁っています。まっ白な波頭が見渡す限り立っています。黒潮躍る熊野灘とよく言うのですが、波打ち際に近づくのは危険です。一度波にさらわれたら、二度と地上に帰ることはありません。波が岸辺に打ち付け、その反動で波が海の底深くに流れていくのです。

 

 熊野詣での巡礼者達は、七里御浜の美しさと浜辺の歩きやすさに誘われて多くの人が熊野三山を見ることなく海の底に沈んでいきました。風景は危険なほど美しさを見せてくれることがあります。

 

 空はよく晴れています。海面をじっと見つめていると上下感覚がおかしくなります。海面が揺れに揺れて体さえも揺れているような不思議な感覚になります。

 

 土用波とはこのような現象を言ったものなのでしょう。南海上には強い台風7号が近づいています。今日の午後の時点で15日の15時頃に紀伊半島を直撃する予報が出ています。初めは静岡県の御前崎付近だったのが、だんだんと西寄りの予報に変わり、紀伊半島にとっては最悪のコースしかも三重県は台風の東の暴風域にかかるため強い風が吹きます。

 

 今日のこの美しい晴れた紺碧の空、蒼い青い海の色、打ち寄せる純白の波頭。まもなく空は鉛色に変わり、やがて漆黒になり、激しい風とともに海鳴りが聞こえてきます。それは綿津見の命の慟哭のようにも聞こえました。いくつもの台風が潮岬に上陸し、ここを越えていきました。何事もなく、過ぎて行ってくれたらと今は思うだけ。

 

 

 今日の七里御浜を1分の動画にしてみました。