こんな冬の枯れ野に春の山菜は出てるかな? いくらモグラが地面の下で春を始めようと頑張っていても、地上はまだまだ冬。
この前、フキノトウを一本見つけました。あれから雪が何日も降り、真冬に元通り。でも、立春からは暖かい日が3日も続いて、ひよっとしたら。新しい2本目のフキノトウが顔を出しています。その横にももう一本。
結局、五本出ていました。家に帰ってテンプラにするとこの通り。一口頬張ると蒼い香りが口いっぱいに広がりました。春の香です。こんなに木枯らしが吹いても、日差しは春。そして、一つひとつ春の兆しはニョキニョキと出ています。
春の神ペルセフォーネが冥界にあったザクロの実を12粒の内4粒を食べてしまいます。冥界の決まりでは食べた粒の数の月だけ、冥界に住まなければなりません。こうして、1年の内四ヶ月は春の神ペルセフォーネが地上に出れないので、野山が枯れるようになったと言います。
今日もペルセフォーネの足跡を探しに野山に行きました。足跡の一つさえ見つけることはできません。でも、フキノトウが五つあったということは、春の神がここに指一本、触れてくれたからなのでしょう。まだまだ、冬の春のせめぎ合いは、冬の勝利ですが、それでも雲の合間に、木枯らしが吹き止む陽春の一瞬に春を垣間見ることができます。冬の隙間をついて、フキノトウもホトケノザもツクシンボも顔を出そうとチャンスをうかがっているのでしょう。