谷間に百合が咲いている。棚田には渓谷から落ちる清水が引かれている。音を立てるのはこのしたたり落ちる水音のみ。
アザミって理由はないけど嫌いだ。それでも真緑の中でこんなに美しい。濃い桃色は緑に映える。
ここのアザミだけがパーマネントをかけたように乱れている。どこの美容室でかけたのだろう。その後ろには笹百合が静かに咲いている。
ひたすら花粉を食べている昆虫。何て言うんだろう?それとも蜜を吸っているのか。このまま静かにそっとしておこう。
ここの百合は大輪。誰も来ない。誰も取ったりはしない。撮るのは写真だけ。なぜか透明感がある。お日様が花びらを透かしている。だから余計美しい。透明感があって輝くように咲いている。