朝晩の寒暖の差も大きくなり、紅葉がさらに進みました。黄色から色づき始め赤になって行くと言いますが、確かにその通りです。
まだ緑も残っています。これも紅葉するのでしょうか。
ドローンは自動帰還モードに入りました。櫛田川右岸は原生林が紅葉しているのが分かります。右岸には棚田が綺麗に見えますが、実はこれは畑に変わり、最近は耕作放棄地も多くなってきました。川の中央に変わった岩があるのが見えています。
地上から見るとこんな感じの岩です。茶色い岩はマイロナイトという地殻深くでプレートがぶつかって変成した奇岩です。ここは中央構造線が川沿いに走っていて、ちょうど構造線のマークのように紀伊半島を東西に貫いています。
中央構造線の北側にあるのが花崗岩です。白猪山を作った岩石です。地中の深くのマグマがゆっくりと冷えて石英や長石、黒雲母に結晶化した物です。
中央構造線の南側は緑色片岩しかありません。ところがこの河原には上流から北側の花崗岩と南側の緑色片岩が流れてきて、混在してあります。構造線の両方の岩石が見られるのは大変珍しいことです。
おまけにチャートも見つけられ、いったいここはどうなっているのでしょう。これは二酸化ケイ素からできていて、放散虫の貝殻が堆積した物です。ということはこの辺は海だったことが分かります。
だいたいミロナイトが露出しているって考えられません。地殻の下でマントルが対流してプレート同士がぶつかって大変な圧力で変成したのがミロナイト。それがこんな地上に出てくるなんて! 紅葉も綺麗なのですが、興味は岩に向いてしまいました。紅葉の原生林が残ったのも奇跡ですが、もともと地球の深いところにある岩が目の前にあるなんて、もっと奇跡!
今日は曇りなので光も淡くて紅葉も発色しています。これで櫛田川の紅葉を空撮するのは三本目ですが、これが一番いいかも。7分ほどですが、お好きな場面だけ早送りすれば楽しめると思います。BGMはつけませんでした。






