宇宙天気予報センターというところがあり、宇宙の天気を観測したり、予報を出している。私たちの生活にはほとんど関係がないけど、無線通信をする者にとってはこの宇宙天気は欠かせない。
29日に巨大な太陽フレアができた。太陽は水素がヘリウムに変わる過程で生まれるエネルギーで輝いている。太陽中心では核融合が起こっており、私たちはこのエネルギーの恩恵を受けている。太陽がなければ地球はマイナス200℃の凍った世界になる。
ところが、太陽はたまに爆発を起こすのでやっかい。いったいどんな爆発を起こしたのだろうか?
これは太陽の紫外線を画像にした物。宇宙天気予報センターでは動画で見ることができる。南半球の中央に明るいところがあり、南極のすぐ左に真っ黒な煙が見える。これが太陽フレア。太陽を真っ黒にかすませるような爆発だった。
これをコロナで観測するとどこが爆発地点なのか特定できる。太陽黒点はゼロの日も続いていたが、最近は100近くになることがある。なぜ急に太陽活動が活発になったのかは不明。だいたい太陽は朝は東から出て西に沈むという変わらない物のたとえにされるが、観測しているととんでもない気まぐれ者。
でも、私たちはこの太陽から光をもらい熱をもらい、生命が誕生した。太陽は神に祭られているが、太陽は私たちの命を直接支配しているから、太陽を観測することは私たちの命を守ることに繋がる。
ちなみに無線通信で言えば、短波帯は全く静かになった。アマチュア無線をする者にとっては太陽黒点が多くなれば海外の人と交信できるし、活動しすぎると電波の世界は沈黙してしまう。世界のアマチュア無線家は、太陽のご機嫌をいち早くトランシーバーのノイズで体感している。
伊勢神宮には天照大神が祭られていてこれは太陽の神様。この天照大神が天岩戸にお隠れになったことがあった。弟の須佐之男命の悪さに辟易して機嫌を損ねられたから。日本神話には大きな意味が込められていると思う。これは史実なのではないだろうか。
古事記や日本書紀などの日本の神話はかなりの部分が史実に基づいている。それは象徴的に書かれているのでそのまま読めば創作でしかない。しかし、そこに描かれている内容は史実であることが多い。
太陽天文学の研究者エドワード・マウンダーは1645年~1715年まで太陽黒点が少なくなったことを気づいた。そして、世界の温度はマイナス0.2℃下がったと言う。この時期をマウンダー極小期と呼んでいる。日本では元禄時代にあたり、松尾芭蕉が野ざらし紀行で東海道に飢饉で亡くなった亡骸が野ざらしになっていることを残している。
たかが0.2℃下がったからと言ってとはいられない。もし体温が0.2℃あがればちょっとした微熱になる。下がれば体調は不調に向かうこともある。天岩戸神話はアマテラスがお隠れになり世の中が真っ暗になり食物が実らなかったと伝えている。それは17世紀に起こったマウンダーミニマムよりも遙かに大きな太陽活動の低調を意味していると思う。天岩戸神話は、巨大なマウンダーミニマム、小氷河期が神話の時代に起こったことを象徴しているのではないだろうか?
今回は太陽活動が活発になって巨大太陽フレアが起こったこと。いずれにしてもここ当分は太陽活動から目が離せない。