三重県志摩半島にある大王崎灯台に行ってみた! | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 岬には灯台があります。伊良湖水道は三重県の志摩半島と愛知県の渥美半島に挟まれて岩礁が多くあり、古くから海の難所でした。ここを通る船は、船が難破しても船主は船長に責任を取らせないと言われるほど危険な水域でした。

 

 この伊勢湾、渥美半島から神島、答志島、志摩半島を貫く中央構造線が海の中を走っており、伊勢湾の水を抜いたとしたら大山脈が連なります。つまり、伊勢湾には海嶺が横切っており、そこを通る伊良湖水道の航路は大変狭くなっています。しかも中京工業地帯があり、船の行き来は頻繁。

 

 大王崎灯台は日本の灯台64に選定されていて、上ることができます。テラスに吹き付ける風は強くて白い波頭が立っては消えていきます。寄せる波、横波、縦波が複雑にぶつかり合い、一瞬高い波ができては海の中に沈んでいきました。

 

 観光客は誰もいません。食堂も真珠を売るお店もシャッターを下ろしていて、開いているお店の数も数軒しかありません。民宿は軒並み窓に板が打ち付けてあり、かっての活気はどこに行ってしまったのでしょう。港からあがった新鮮な魚をリヤカーで運んでいく真っ赤なほっぺのおばあさん、店頭でサザエを焼くおじいさん、いったいどこに行ったのでしょう。干した干物をねらう電柱のカモメもいません。

 

 あるのは、なぜか高く見える秋の青空、風に吹かれて足早に海原を移動していく白い雲。土産物店の閉ざされたシャッター街を潮風が吹き抜けていきます。

 

 もともと志摩半島はこんな風情なのでしょう。サミット後の志摩半島は国内外からたくさんの観光客が来ていました。そのときは何も感じなかった違和感。それは自然の厳しさ、海の荒々しさが否応なしに身にしみたことです。ひよっとして志摩の旅の本質は人気がない今にあるのかも知れません。それは今まで感じたことのない不思議な魅力でした。

 

 てんこもり海鮮丼をいただきました。鳥羽市の相差にある黒潮ダイニングというお店です。車エビを口に入れると飛び跳ねました。お味噌汁は漁師汁のような魚の出汁がじわっと出ています。美味しい!

 

 灯台からは遙か遠くにサミットが行われた志摩観光ホテルが見えます。アメリカのオバマ大統領やドイツのメルケル首相など先進七国の首脳がここに集いました。美し国みえの海の幸・山の幸を楽しんだことでしょう。

 

 志摩半島の旅を動画にしました。YouTubeでご覧いただけます。