今、太陽から目が離せない! | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 

 太陽は10.5年周期で活発になったり低調になったりする。太陽は夕方には西の空に沈むし、たぶん明日の朝は東の空から昇ってくるだろう。太陽は変わらない存在の象徴のように見える。このグラフは太陽が1600年頃からどんな活動をしていたかを表している。太陽活動が盛んなときは、黒点が増えてフレアなど爆発も頻繁に起こる。オーロラが出るのはそのため。

 

 このグラフを見ると1645年から1715年にかけて太陽活動が低調だった時期があることが分かる。これを「マウンダーミニマム」と呼んでいる。黒点は現れず、各地で寒冷化による飢饉がおこた。この時期は日本では元禄時代で松尾芭蕉が「野ざらし紀行」で東海道に飢饉で亡くなった人が野ざらしになっていることを書いている。

 

 もう一つの低調な時期は、1790年代から1820年代で、この時期を「ダルトンミニマム」と呼んでいる。マウンダーミニマムには太陽黒点はほとんど現れず、同じ時期に地球の気候も寒冷化したが、ダルトンミニマムでは黒点は現れなかったのだろうか?

 

 

 江戸時代に黒点を記録していた学者がいた。近江国に國友一寛斎という砲術士がいた。彼の専門は大砲を扱うこと。しかし、天文にも興味があり、日本で最初の反射望遠鏡を作ったことで知られてる。彼はそれで月のクレーターや木星を観測した。木星に衛星が二つあることも発見した。上の図は天保七年の黒点図。これを見ると南に黒点が多く出ていることが分かる。同じ時期にオーストラリアの修道士も同じような記録を残している。

 

 現在の太陽活動は通常の三分の一しかない。今、太陽中心で作られた核融合エネルギーは100万年かかって表面に伝わる。つまり、100万年後には太陽熱は現在の三分の一になる。地球は氷河期になることが分かっている。ただし、人間活動による二酸化炭素の温暖化による熱暴走が起こっている可能性もある。太陽活動の低調による地球寒冷化よりも、人間活動による温暖化の方が厄介かも知れない。

 

 太陽は私たちに恵みを与えてくれるが、このグラフを見ると結構気まぐれな存在でしかない。アマチュア無線をしていると太陽活動の様子がよく分かる。三十年前は10Wのトランシーバーと高さ5m長さ10mのアンテナでヨーロッパやアフリカの国々と交信できた。今は数百ワットで八木アンテナを向けても何も聞こえない。太陽は沈黙している。

 

 朝起きると東の空を見上げて太陽を拝んでいる老人がいた。なぜ人は太陽を見上げるのか。それは太陽が私たちの命を直接支配しているからなのだろう。古代から人間が太陽を仰ぎ見、観測してきたのはそのためなのだろう。