耳よりな話と耳よりでない話 | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 吉野山の桜も葉桜になったようで。まもなく花供懺法会なのに今年の桜は何とも早かったようです。蔵王堂には金剛蔵王権現の秘仏があります。中央が釈迦如来、右が千手観音菩薩、左が弥勒菩薩です。釈迦は過去を、千手は現代を、弥勒は未来を救済する仏です。5月5日まで御開帳のようです。いま、蔵王堂は金剛力士像の解体修理をしているので、年に一定期間御開帳をしています。

 

 1300年前、役行者が大峰山で祈っていました。初めは地蔵菩薩など優しい仏がお出ましになりました。しかし、乱れた世の中を救うには優しすぎる仏です。最後に祈りだしたのが憤怒に満ちた表情の金剛蔵王大権現です。役行者は桜の木にこれを彫って修験道の本尊としました。すべての人々を救おうとする仏の強い意思が現れています。花供懺法会は金剛蔵王大権現に桜の開花を知らせる祭です。いつまでも御開帳といるわけではないので見るなら今のうち。

 

 5月3日午前3時に山上ヶ岳で戸開式が行われます。山上蔵王堂ではこの日が開山日で9月23日まで山伏達が修行の季節となります。この期間しか山上蔵王堂は開いていません。騎馬を組んだ男達が鍵を持って境内を練り歩きます。やがて戸が開けられると信徒達は本堂になだれ込みます。何と言っても秘密の役行者とまみえるのは戸閉式の二回しかありません。山上ヶ岳だけは今でも女人禁制を守っているので、男だけの祭です。去年は新型コロナウイルスで洞川の関係者だけで祭が行われました。今年も同様に15人で行うとのこと。何とも残念な話です。まあ、奈良県も感染者が一日80人では今年も仕方ありませんね。早くワクチンが行き渡って、来年こそ盛大にできますように。