湯峰温泉の湯筒、90℃の熱泉が湧いている。いつも人間がここに群がっている。
お目当てはタマゴをここでゆでること。温泉卵にするとすごく美味しいらしい。
9分間湯筒でゆでたらこんなになった。ふわとろ。
和歌山県の温泉は龍神温泉、川湯温泉、湯峰温泉と熱泉が地表に湧き出ています。こんなに豊かに温泉が湧き出るのはなぜなのでしよう?
これらの温泉の北には大台ヶ原と大峰山があり、どちらも巨大噴火をしていました。数千年前は台高山脈から大峰山脈は活火山で火を噴いていました。火山活動が収まると紀伊半島の南半分は砂漠のような風景だったでしょう。さらに火山活動が低調になると中央部が陥没します。これが現在の室生カルデラです。津市の美杉村には高さ200mの屏風岩が柱状節理となり延々と続いています。
湯峰温泉の熱源はこのように千数百万年前の火成岩の熱が地下に残っているからなのでしょう。もう一つの説は、フィリピン海プレートが南西方向に押し寄せていてその圧力が熱源になっているという説です。本州最南端の街串本町には橋杭岩や海金剛など南西に一直線に伸びる奇岩があります。プレートが南西に押し寄せているため岩盤の弱い部分にマグマがせり出した物で、まるで弘法大師が一夜で橋を架けたかのような美しい橋桁を見ることができます。
あの湯峰温泉の湯筒の熱源も地球のマントルが対流しているという惑星規模のムーブメントの恵みで美味しい温泉卵ができているのだと。私たちはその片隅で温泉卵をゆでては美味しいと喜んでいるのでしょう。