雨上がりで畑に行ったらダイコンが大きくなっていた。土で濡れてドロドロになりながら丁寧に掘り出して、水道水で洗ったら態度がでかい。まな板の横で肘をついて寝そべっている。今からまな板で切られようとしているのに、この態度!
ダイコンは丁寧に洗われて真っ白になった。庭のカボスをシラスに入れてお味をつける。
お醤油は油正の特選醸造。酒屋が発酵させた極上の醤油がシラスのうま味とダイコンの辛みによく似合う。もぎたてのカボスは柑橘の香りがふわっと部屋全体に広がる。食卓にはキュウリの漬物、銀杏が入った茶碗蒸し。そして、大根おろしのシラス。夏の名残と秋の盛りと冬の兆しの三つの季節が食卓に並んだ。キュウリもダイコンも畑の恵み、銀杏はイチョウが小径に落としてくれた。粗食だけど豪華に感じる。態度の悪いダイコンに感謝!美味しいっ!!!
極めつきはおでん。寒くなると身にしみて美味しい。カツオに昆布だし、ダイコンやこんにゃくにお味が芯まで染み渡っている。美味しくするのはやはりすじ肉。松阪牛のすじ肉。100gで2000円もする上肉も、牛すじなら250円。あまり地元しか売っていない。松阪肉って牛骨や牛すじまで松阪牛です。お肉の香りが上肉と同じなのでちょっとリッチな気持ちになる。圧力鍋で炊いたら牛すじもふわとろになる。市内では細切れという骨に着いた切り出し肉がお値打ち。骨に近いお肉はもともと美味しいらしい。100gで400円から売っている。開店と同時に行かないと売り切れている。これも地産地消で市外では出回らない。高級ブランドを守るためなのか。



