三重県松阪市のベルファームというイングリッシュガーデンがある。今時、薔薇の花は年中見ることが出来るけど、やはり季節の薔薇が一番美しいと思う。
園内はとにかく広い。これ以外に食事場所や駐車場、池まであるから広さはかなりのもの。日本でも有数の薔薇園。池の周りを一周するジョギングコースもある。松阪インターからすぐだけど、今は県外からの客はない。閑散としている。その代わり、薔薇から放つ香りは園内いっぱいに漂っている。人が多いとこうはいかない。
いろんな種類の薔薇があって花のアプリで調べても「薔薇」としか出てこない。中にはエリザベス女王に捧げられた薔薇もある。一度、本物を見たことがあるけど、真っ白な花びらにオレンジ色が入っていて、その存在そのものという感じがした。女王が三十代の頃だったから、そのイメージで作られたのだろう。
どの花にも旬というものがある。旬は10日を表す言葉だけど、薔薇の見頃はもっと長いような気がする。薔薇は咲きすぎると思う。本当は根っこや鶴や葉っぱを大きく成長してから咲けばいいのに、自分を犠牲にしてでも花を大きく咲かせる。
ひよっとしたら、薔薇は花を人間に楽しませることで、子孫を残そうとしているのかも。人間が薔薇を育てているのではなく、薔薇が人間を使って世話させているのかも。
花のある所、必ず昆虫がいる。このイングリッシュガーデンには薔薇だけでなくハーブがたくさん植えてある。キャットミントに群がるのはミツバチ。集めた蜜はどんなお味がするのだろう。やはりミントの香りがするのか。小さな薔薇が咲くスノーグースのいくつものゲートにはモンシロチョウが空を覆うように群がっていた。