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ハブサンのH501Aは、ブラシレスモーターなのでパワーがアップしていて飛行制限の120mまで一分足らずで一気に上昇する。超強力磁石側が回転するので電気的に接点がないので耐久性があり、消耗品はプロペラくらいで済む。GPSを搭載しており10個以上捕捉するので無風なら着陸誤差は50cm以内に収まる。そのためウェイポイント、フォロミー、リターンホーム、サークルフライ、フェイルセイフティなどほとんどの機能がついている。ないと言えば、障害物回避とカメラジンバルくらい。これで2.5k円ちょっとなのでコストパフォーマンスはかなりのもの。120mまで一気に上昇させるとさすがにバッテリーが急激に減るが、そこから高度維持か下降する程度なら10分以上は余裕で飛んでいる。電池切れになるようなら着陸地点に自動で帰還する。しかし、誤動作を避けるために早めの帰還が肝心。
カメラは1920×1080のフルハイビジョンできれいに撮影できる。3Dフリップなどアクロバット飛行はできないが、安定した空撮ができるように作られている。ジンバルがないので風が吹けば当然多少画像も揺れる。以前のハブサンのハイビジョンカメラから撮像子やレンズが進化したのか、ホワイトバランスや焦点がぴったり合っている。
機体重量が450gちょっとあるので、無人飛行物体となり航空法の適用を受ける。人口密集地域、人や車から30m以内、イベント、空港など指定地域、150m以上の飛行、夜間飛行は国土交通省の申請が必要になる。
HT005の無線LANルーターが付属しているので、400mまでコントロールできるが有視界飛行はこの機体の大きさならせいぜい200mまでだと思う。リアルタイム画像伝送ができるのでどんなアングルで撮影しているのかがよく分かる。万一機体を見失ってもリターンホームを押せば最短距離で着陸地点に戻ってくる。
この機種の強みは何と言っても技適証明がついていること。5.8GのFPVはアマチュア無線の免許状が必要になるし、送信機系統図や工事設計書が公開されていないので、実質申請は不可能。国内では、無線従事者免許証をとった後、無線局免許状が必要になる。しかも、ドローンやプロポも周波数が違えば、一機ごとに変更申請が必要になる。これは2.4Gの無線LANルーターでも同様で、技適証明がない限り電波法違反となる。5万円以下のドローンは法的にグレーゾーンの製品が出回っていて、購入して初めて飛ばせないことに気づくこともあるかと。mifly drone で提供しているこの機種は技適証明があるので法的な問題はないので安心して飛ばせる。H501AとHT005の無線LANルーターの組み合わせは、国内で合法的に飛行できる数少ない機種だと思う。
注意しなければいけないのは、重量があるわりには機体のシェルが薄いためコンクリートや石などの硬い着陸地点でリターンホームをすると機体にクラックが入ることがあるので、着陸地点に来たら手動でソフトランディングさせるか、スチロールなどのエアポートを敷いたほうが無難。砂場だと砂鉄がブラシレスモーターに付着すると悲惨なことになる。草原などでも布製のワンタッチで収納できるエアポートを使った方がいいと思う。ドローンなので墜落やロストのリスクは常にある。10万円以上するのをクラッシュしたときのショックよりはH501Aの値段なら多少和らぐのでは!いずれにしてもおもちゃのレベルを遙かに超えたスペックを持っているのは確か。
プロポに慣れている人は、スマホ・タブレットなので仮想スティックやラジオボタンで操作するので、画面の平らな指の感触に違和感を持つと思う。しかし、慣れればプロポよりも遙かに設定が簡単でグーグル地図上をドローンが飛行する。むしろ、ウェイポイントをスマホ・タブレットで設定し、飛行計画をドローンに転送して飛行する空撮がこれからの主流になっていくと思う。平成30年4月から「みちびき」の本格的運用が始まれば、GPSの誤差は数センチ以内となり飛行ルートや高度の設定さえ間違えなければプロポの操作よりも墜落やロストの確率は低くなる。iPhone7以降はみちびきに対応しているので、期待できるかも。
速度の遅い一昔前のスマホ・タブレットでは画像に多少遅れが出ることがあるので、直接目視で操作しないと誤操作につながる。航空法も直接目視以外の飛行を禁止している。また、みちびきに対応していないスマホ・タブレットではウェイポイントなどの設定でドローンとスマホ・タブレットのGPSの位置の誤差を50cm以内にしなければならないので、使えない可能性がある。
取説が英語だが、ドローンの基本的な知識があればだいたい分かるし、日本語の取説がジーフォースから入手できる。日本語版のアプリがApp Storeからダウンロードできる。また、YouTubeに懇切丁寧な取扱説明がアップされている。
登山で使えば樹氷の山々が撮れるし、雲海を突き抜ければオレンジ色の朝日が出ている。海岸に出れば港町が眼下にある。地上では見ることのできない景色が簡単に手に入る。ファントムⅣのような安定した4K動画の様には行かないが、自分で空撮を楽しむ程度なら一つの選択肢になると思う。
H501シリーズで1.5k円という超コストパフォーマンスなH501Mが出るようだが、これはブラシレスで300m操作できるプロポ付になっている。しかし、動画が720ピクセルでFPVは50mまでしか届かない。すでにアプリがアップデートしており、H501Mにも対応しているが、これを見るとHT005レピーターには対応していないようだ。ということは、300mは操作できても、リアルタイムで画像が届くのは50mまでとなる。それに対して、H501AはFPVもコントロールも400mまでできるので、Mが出ても優位性は変わらないようだ。空撮よりもプロポで遊びたい人はこれを選ぶのもいいかも。