チャオ御岳スノーリゾートで滑りまくり | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 

 ここをクリックすると動画になります。チャオ御岳スノーリゾートは、まだ真冬。マイナス9℃なのに、今日は暖かいって声が聞こえてきました。丸一日の滑降を5分間にまとめました。

 

 今から御嶽山に向かいます。美しい山です。でも、2014年の噴火によって58名の尊い命が失われました。ここは御岳を見渡せる祈りの展望台。美しいこの山も噴火活動によって造られたものです。今も活発な活動を見せる山です。9月27日正午前、剣が峰山頂付近の南西側で水蒸気爆発が起きました。噴煙は7000mまで上がったと言います。左には剣が峰、中央には摩利支天、右側には継子岳。その下にはチャオ御岳スノーリゾートがあります。白樺林を通り抜けていくともうすぐ到着です。

 

 チャオ御岳スノーリゾートは、御嶽山の北斜面にあります。ということは、正面は乗鞍岳。朝起きたときは、山頂付近の高度に雲が左右にたなびいていました。時間とともに消えて、今はくっきり山頂を見せています。

 

  昨夜の夜空は格別でした。北斗七星もオリオン座も地上では見えない暗い星々まで輝きを増してきます。標高1800mの駐車場から見る夜空は、空気が澄み切ってどこまでも漆黒。夏の銀河が南北を横切るように、まるでスターダストをまき散らしたような夜空です。午前四時に東の空にサソリ座が昇ってきました。氷の世界に夏の星座。季節は確実に春に向かっています。

 

 車で一夜を明かすと、フロントガラスには氷の結晶ができていました。快晴の朝だから放射冷却で気温もぐっと低くなりました。自然が厳しいと景色はいっそう美しくなります。

 

 乗鞍岳って独立峰です。何とも大きな山体。これを見ながら滑降できるのが楽しみです。こんな寒空の中を一羽の渡り鳥が飛んでいきます。なぜ一羽なのか。目をこらすと確かに一羽でした。群れからはぐれたのでしょうか。不思議な光景でした。渡りをするのは春と秋。ここでも季節の変わり目を垣間見ました。

 

 春スキーなのに、さらさらのパウダースノーです。歩くとサクッサクッ、キュッキュッて音がします。山麓駅から山頂駅まではゴンドラで7分。ここに立つとみんなは緊張気味。ビンディングをロックして、スキー板の雪をたたく音。ライダー達が滑降するかすれた音。さあ、滑るぞって感じの張り詰めた雰囲気が漂います。

 

 振り返れば、継子岳が見えます。正面には乗鞍岳、背面には御嶽山。どちらも同時に見ながら滑りたくなります。バーンはお昼になって荒れてきました。朝一の重機で均されたトタン板のような雪面に朝日が輝いてこれがいいです。

 

 からからに乾いたパウダースノーも素晴らしいけど、これほど大きな山々に囲まれた眺望のある所はあまりないでしょう。美しいターンを雪面に描きながら駆け抜けていくライダーもいるし、のんびりと眺望を楽しむ人たちもいます。

 

 太陽に暈ができてきました。明日の天気は下り坂でしょう。大気が湿ってきた証拠です。でも、幸運にももう一日だけ待ってくれました。ラッキーな二日間です。二日目は平日で人もまばら。これぞと好きなターンを描いて2100mを滑降できます。午前中5本、午後も5本滑降するとふらふらになりました。中には一日80km以上滑降する強者もいます。かっては上村愛子さんのホームゲレンデでした。コブ斜面を小学生が果敢に挑戦するのを熱心に指導していました。来年の冬季オリンピックでは、このゲレンデからどんなヒーローが出るのでしょうか。