朝早く起きて畑に行ってみると、強烈な甘さと酸っぱさの香りが漂ってきます。香りの主はイチゴです。甘酸っぱさというよりも、甘さも酸っぱさもどちらもゆずらないで強烈に主張し合っているように感じました。糖にはアルファとベーターがあります。アルファ糖は美味しく感じます。ベーター糖は普通の甘さです。焼きたてパンが美味しいのは、このアルファ糖が多く含まれるからです。ただアルファ糖は科学的に壊れやすいのですぐにベーター糖に変わってしまいます。この香りはアルファの香り。イチゴは摘んだその瞬間からアルファ糖が急速に失われ、ベーター糖に変わっていきます。朝摘みのイチゴが美味しいのは、そのためなのでしょう。
誰が植えたのか石垣のイチゴ。水もやらないのに石垣から長い根を伸ばして、緑の葉っぱを朝日に広げて赤い実を実らせています。どのイチゴよりも赤く見えるのは気のせいでしょうか。昨日、発酵させたヨーグルトができあがっていました。それに朝摘みのイチゴをスライスしたら、朝の食卓にもう一品増えました。この季節でしか味わえない自然からの贈り物です。