今回の球出しは手球出しです。
これは球出しのタイミングや距離感が難しいので、たいていは僕自身が球出しをします。
主目的はフットワークの習得です。
「フットワークの原理」シリーズでご紹介したフットワークを同時に練習したいときに行うメニューです。
フットワークは3つ。
1.前方移動したときの「ダブルステップ」(フットワークの原理 その7)
2.後方移動したときの「スパニッシュ・バックフット」(フットワークの原理 その13)
3.横移動したときの「ランニング・ショット」(フットワークの原理 その11)
これを連続でこなしていきます。
まず立ち位置は次図。
左右対称のメニューではないので、左と右でそれぞれ交替しながら行います。
なので、上図はコーチがセンターから少し左寄り立ち、プレイヤーは右寄りに立っているのがお分かりでしょうか。
プレイヤーはベースラインの後ろに順番に並びます。
そして、まずは、
1.前方移動したときの「ダブルステップ」(フットワークの原理 その7)
です。
球出しを少し高めに、サービスライン当たりで打てるようなところに出します。
このときプレイヤーはしっかりとダブルステップをして打つことが重要です。
そして、次が、
2.後方移動したときの「スパニッシュ・バックフット」(フットワークの原理 その13)
です。
コーチは高く、プレイヤーがギリギリ追いつくか追いつかないかのボールを投げます。
これが、前段階で、ダブルステップをしっかりと踏んで止まって打たないと戻りが間に合いません。
また、プレイヤーの動きが「し」の字になっているが分かりますか?
最低でもプレイヤーは直線で動かなければならない。
最悪なのは「へ」の字に動いてしまうこと。
プレイヤーは、何も考えずに「ボールに早く追いつく」ということだけに意識がいってしまうと、ボールの軌道下に移動してから、ボールに合わせて下がろうとしてしまいます。
そうすると、最初から最後まで背中を向けて走らなければならない。
テイクバックとともに後ろ足を踏み込み、前足を横に逃がすようにして打つことで、手打ちになる子とを避けなければいけません。
また、選手が打つショットも確実性のあるものを求めます。
そして、最後が、
3.横移動したときの「ランニング・ショット」(フットワークの原理 その11)
これも、選手がギリギリ届くか届かないかのボールを出します。
これは低く速い球出しです。
スライディングをして、体軸が前のめりになるような打ち方はダメです。
そして、前のプレイヤーがこの3球目を打ったらすぐに次のプレイヤーのための、短い球出しを行い、次々とプレイヤーがコートで動くようにします。
プレイヤーが全力で走らなければならない球出しを行えば、4人ぐらいで5廻しぐらいすると、結構疲れます。
ここら辺が、コーチの腕の見せ所、というか(笑)。
選手が正確なフットワークで打たなければミスをしてしまうような難しい高さ、速さで、しかもギリギリ間に合うようなタイミングで出さないといけないので、選手ではなく、僕自身が出すようにしています。
ただこの練習は、1つ1つのフットワークをしっかりと習得する単独の練習をしたあとに、それを連続で、自動的に行う練習、というふうに割り切って行ってください。