前回、『酉の三合(金の三合)』について触れました。それは十二支にあわせて
巳→生
酉→旺
丑→墓
という表現をします。つまり
巳年に始まったことは
酉年でブレイクして
丑年で終わりになる
という意味です。つまり今年(2017年)は巳年(2013年)に撒いた種の実を出す年だということです。
今回はこの続きです。「丑→墓」というのが気になりますね。
「酉の三合」のままだと酉の次に来る丑年では終わりがきます。その終わりを墓と呼んでいるのです。しかし終わり方にもいろいろあります。
この終わり方は「丑」なので最も「土」的な終わり方だということになります。
丑つまり「牛」は胃を四つ持っていて胃そのものを象徴した動物だということがわかります。おまけに動力や食料、人間の生活を完全にバックアップしてくれる存在です。胃にしても、バックアップにしても、完全に「土」的ということなのです。胃は食べ物を分解して小腸に送ります。そのとき、食べ物をバラバラにして形をゲロのようなものに変えてしまいます。これを『化かす』といいます。つまりそれが「消化」のもとなのです。つまり、姿を変えるまでにバラバラにしてしまうのが「土」的なやり方だということです。
ということは「土」的な終わり方は「散々な終わり方」ということです。存在の痕跡すら奪われるようなやり方だということになります。
しかし、せっかく酉年でブレイクしたものが丑年で墓、つまりこんな形でご破算になってしまうのでは情けない…と思うのが人情です。
でも物事には必ず始まりがあれば終わりがあります。終わりを避けることは誰にもできません。
しかしです。終わり方が問題なのです。終わりは次の始まりのプロローグだということに注目するのが五行を使った見方の特徴になります。新たな始まりのきっかけにすればよいのです。
このあたりは『だるまんの陰陽五行』「土」の章第44話に詳しいので、そこをもう一度お読みいただきたいのですが、
結論としては「酉の三合」を「午の三合」に変えるというものです。
図をごらんください。
「午の三合」の場合は
寅→生
午→旺
戌→墓
です。
酉の三合である酉年でブレイクした時には、いい気にならずにチューニングのダイアルを回すように酉から隣の戌にカチッとひねってみましょう…ということなのです。
具体的に言うと酉で得た収入(その他、もろもろの利益)を全部自分のものとはせずに誰かのためにいくらかでも放出しましょう…ということなのです。
戌(いぬ)というのは「ポトンと落ちる」という意味で、犬が安産(ポトンと落ちるように出産するので母体も楽)ということがその謂れだとも言われています。木ならば剪定することを意味します。そして、この「戌」は「午の三合」の「墓」にあたります。
つまりは、酉のときにいい気にならずに、わざと利益を欲得抜きに誰かのために放出することで、戌になる。そうすると「酉の三合」を抜けて「午の三合」に入るので、寅年に新たな何かが生まれ、午年でほどほどの利益を得る…という具合になる…という話なのです。
酉年には次の戌年の意識をすでに持ち始めて、出すぎるな!ということなのです。出過ぎるとそのまま丑年で墓になるということです。
「酉の三合」の過去の一例をあげてみましょう。酉年のブレイクぶりと丑年の「墓」ぶりがよくわかると思います。
巳→生 2001年 J.W. ブッシュ就任。小泉内閣発足 911事件起こる
酉→旺 2005年 第二期ブッシュ政権発足 郵政解散を経て第二次小泉内閣発足
丑→墓 2009年 衆議院解散、小泉純一郎引退。自民党は野党に。 リーマンショックの影響で世界的不況。
また、「酉の三合」での酉のブレイクぶりと「午の三合」での午のブレイクぶりを見ると明らかに酉の方が上なのですが、「過ぎたるは及ばざるが如し」です。ほどほどにすることで危険な終わり方を避けることもできるということなのです。
このように、何事にも出すぎず、常に利他の精神に徹するのが五行の教えなのです。
なお、このようなことに関して 2017年2月2日(木) 18:00~20:00、東京八重洲会議室(イオンコンパス)にて三冬社主宰の講演会もあります。
演題は「2017年!酉年があなたに与えるもの」です。
詳しくはだるまんインフォ ( http://www.daruman.info/event/index.html ) を御覧ください。
(1月11日現在はまだ掲載されていませんが数日後にはお知らせがUPされるはずです)